2018年8月20日2024年3月15日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

高分子と低分子では役割が違う「ヒアルロン酸ナリウム」

ヒアルロン酸は哺乳類の結合組織中に大量に分布しており、臍帯、皮膚、大動脈、腱、関節液などに多く含まれています。

 

1934年にMeyerらにより牛の眼の硝子体から分離、命名された代表的なグリコサミノグリカン(ムコ多糖)です。

 

ヒアルロン酸は、D -グルクロン酸とN-アセチルグルコサミンのニ糖単位の連結を基本とする鎖状の巨大分子であり、他のおもなグリコサミノグリカンと異なり硫酸基をもたず、その酸性基はカルボキシル基だけです。

 

 

生体内では蛋白質と複合体を形成して粘調な状態で存在し、ジェリー状のマトリックスを形成しています。

 

昔はニワトリの鶏冠から抽出されたヒアルロン酸ナトリウムが化粧品に微量配合されていましたが、高価なため、現在は微生物発酵により生産したヒアルロン酸ナトリウムが主に化粧品に用いられています

 

最適使用量は0.01~0.15%です。

 

 

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このようにヒアルロン酸ナトリウムは保湿成分・増粘成分として色々な化粧品に配合されています。

 

ヒアルロン酸ナトリウムは、肌表面または角質層で水分を抱え込む保湿成分で、湿度が低くても保湿能を発揮します。

 

また、水分と結合する保湿成分のグリセリンと組み合わせることによって、相乗的な保湿効果を発揮します。

 

一般的に高分子(75万~)のヒアルロン酸ナトリウムには、独特の使用感触があり、しっとりした粘性のある使い心地です。

 

保湿効果は持続しますが、角層内部への浸透性は低く、角質層の表面に留まります。

 

 

一方、低分子(~1万)のヒアルロン酸ナトリウムはサラッとした使い心地で高分子と比較すると保湿力の持続時間が短いですが、角質層内への浸透性が良いものもあるといわれています。

 

肌の乾燥がひどい時や、しっとりした使用感がお好みの方には、高分子ヒアルロン酸ナトリウムがお勧めで、湿度の多い夏場や、サラッとした使用感がお好みの方には、低分子ヒアルロン酸ナトリウムがお勧めです。

 

 

 

 

この記事を書いた人

前田 憲寿 先生

前田 憲寿 先生

*医学博士

*東京工科大学 応用生物学部 教授

*日本スキンケア協会 顧問

*特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長

九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。

 

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