2018年8月14日2018年8月14日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

美容&スキンケア情報「注目の美容成分 『皮膚や粘膜の健康維持を助けるパントテン酸』」

注目の美容成分『皮膚や粘膜の健康維持を助けるパントテン酸』

パントテン酸は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素のひとつです。
パントテン酸は「至るところに存在する酸」という意味を含み、その名の通り様々な食品に含まれています。
パントテン酸は、生体内でCoA(補酵素A)の構成成分となり、広範な代謝に関与します。

 

CoAは炭水化物、脂肪の代謝においてアセチルCoA となり、活性なアセチル基の転移に関与する重要な補酵素です。
通常の食事をしている人では不足することはありませんが、
欠乏症としては、成長停止や皮膚炎、脱毛が知られており、ビタミンB5とも呼ばれています。

 

 

 

 

パントテルエチルエーテル(Pantothenyl ethyl ether)はパントテン酸のエーテル誘導体で、
パントテン酸のpKaが4.35なので、通常の化粧品製剤(pH 6.3)では
ほとんどが解離型(イオン型)になっており皮膚に浸透しないので、エチルエーテル体にして浸透しやすくしたものです。

 

皮膚内でパントテルエチルエーテルからパントテン酸ができることはありません。
パントテルエチルエーテルには細胞増殖促進効果があるといわれています。
パンテテイン(pantetheine)はパントテン酸にシステアミン(2-メルカプトエチルアミン)が結合したもので、体内では補酵素Aの生合成の中間体です。

 

パンテテインにはメラニン生成抑制効果がありますが、安定性が悪いため、
SH基にスルホン酸を結合して安定化したパンテテインスルホン酸Ca(pantetheine-S-sulfonic acid calcium salt, INCI: CALCIUM PANTETHEINE SULFONATE)が化粧品原料にあります。
パンテテインスルホン酸Caを10%配合したクリームは色素沈着症に有効であるとの報告があります。

 

 

記事


前田 憲寿 先生

医学博士

東京工科大学 教授

日本スキンケア協会 顧問

 

 

 

 

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