2023年10月2日2023年11月8日皮膚科医に学ぶ正しいスキンケア

【皮膚科医に学ぶ】皮膚血管の重要性②

 

前回に引き続き、皮膚血管の重要性についてご紹介します。

前回の記事はコチラ

 

皮膚に分布する血管は、深部の皮動脈から分岐し皮下組織から上行すると、真皮深層で多数の分枝が吻合、網の目状を呈します( 真皮深層血管叢)。

 

さらにそこから真皮上層へさらに網の目状の吻合を構成( 乳頭下血管叢) して小動脈となり、最終的に真皮乳頭層で毛細血管を形成、ループして小静脈となり
もどってきます。

 

小静脈は動脈系と同じように2 層の網の目構造を呈し、深部の皮静脈へ流れていきます。

 

基本的には毛細血管で栄養成分が濾出し、上層の細胞へ届けられ、逆に不要なものを回収してくれます

 

だから毛細血管もその下床にある網の目状の血管叢も重要なことがわかります。

 

 

そしてもう一つ、毛細血管を介さないルートがあります。

動脈から静脈に直接血液を流す装置があります。

 

これを動静脈吻合といい、その働きは交感神経の支配下にあります。

 

皮膚ではグロムス装置という名前がついており、手指や足趾、爪下によく見られます。

 

 

 

 

ちなみに、この部位の働きによって体温のコントロールを行っています。

寒冷下では必要な栄養の供給を維持しつつ、熱の消失を最小限度に抑えるために、動静脈吻合によって乳頭層の血流量を減少させ( 皮膚音が冷たくなる)、また温熱下では熱の消失を促すように乳頭層の血流量を増加させ( 皮膚音が温かくなる) ます。

 

この動静脈吻合は、上記の通り交感神経の支配下にあるので、自律神経のバランスが良くないと、赤ら顔や冷え性になりやすいものです。

 

ちなみに自律神経と血管の関係ですが、交感神経が過度に優位な状態が続くと末梢血管は全般的に細くなります。

 

つまりその末梢の皮膚細胞代謝は明らかに落ち、栄養もいきわたりません。

 

 

交感神経優位となる原因の一番は“ ストレス( メンタルや疲労)” です。

ストレスが過度になるとにきびなど様々な皮膚トラブルがでてきます

 

にきびなどの症状がある時に、血流が良くない状態がさらに続けば、治りは当然悪くなります

 

そして、副交感神経優位な状態であるはずの睡眠中も交感神経優位になってしまい、負のスパイラルに陥り、治らない状態が続いてしまいます。

 

 

 

 

だからこそ、皮膚そのものの治療やケアだけでなく、日常生活のサイクル( ストレス解消、睡眠改善、食事改善、運動、便通改善、水分摂取など) 改善
も必要となるわけです。

 

もちろん、これはニキビに限らず、健康できれいな肌を目指すには必要なことです。
“ 美肌” を目指すとなると、皮膚だけに目がいきがちですが、血管・血流はもっと大切なポイントです。

 

血管は老化し、また生活習慣病による動脈硬化で狭小化、閉塞も起こり、毛細血管レベルでの血管壁の脆弱化もあります。

 

さらには血管そのものだけでなく上記のように自律神経のバランスも関わってきます。

 

だから、普段から体のことに目を向けて生活をすることが、美肌へ向かうための基本的な心がけなのでしょう。

 

 

 

この記事を書いた人

濱野 英明(はまの ひであき)先生

テティス横濱美容皮膚科 院長

日本皮膚科学会 皮膚科専門医

一般社団法人日本スキンケア協会 顧問

ヒアルロン酸・ボトックス注入認定指導医

川崎市立川崎病院、慶應義塾大学病院皮膚科、稲城市立病院皮膚科、済生会横浜市南部病院皮膚科での勤務を経て、横浜の桜木町駅前に医療とエステを融合させた「テティス横濱美容皮膚科」を開設。日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本東洋医学会、日本レーザー医学会等に加盟し、最新の確かな情報を基に、安全で効果の高い美容医療を提供している。また、ミス・ユニバースやミススプラインターナショナルのビューティーキャンプ講師や審査員も務める。

 

 

 

 

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