2024年11月18日2024年11月18日皮膚科医に学ぶ正しいスキンケア
プラセンタの 使い道①
プラセンタは美容雑誌、ネットなどの記事や広告でよく目にするものです。
皆さんも一度は見聞きしたことがあるでしょう。
プラセンタとは何か
古くは西洋のヒポクラテスが治療に使用、美容においてはクレオパトラやマリーアントワネットが愛用していたというのは有名な話です。
現代においてもそれは変わらず、市販品で馬、羊など動物性プラセンタから植物性プラセンタ(通常のプラセンタとは別物)といわれるものまであります。
そもそもプラセンタ=胎盤ですが、なぜ美容に根付いたか、どのような効果があるのでしょうか。
ヒト、動物性プラセンタは、いわゆる胎盤組織から有効成分を抽出したものです。
胎盤組織がもたらす豊富な栄養素
そもそも胎盤組織は胎児に欠かせない組織です。
胎児の成長に必要な栄養素、成長因子類を供給し、老廃物を排出する役目があります。
具体的な栄養素とはアミノ酸、活性ペプチド、タンパク質、脂質、糖質、ムコ多糖、ビタミン、ミネラル、核酸、酵素などです。
これら列挙されたものを見ただけでも万能に等しく、これらが摂取できるのなら、身体・アンチエイジングにとってプ
ラスにしかならないものばかり、ということがわかります。
医療と美容におけるプラセンタの使い方
一般的には動物性プラセンタが有名ですが、医療においてはヒトから提供されたものを注射や飲み薬として使用しております。
ヒトのものが使えるのはもちろん医療だけです。
特に注射薬で使用するプラセンタは日本国内で健康なかたの胎盤をご提供していただいており、感染症など様々な検査をクリアした安全性の高いものです。
ただし、血液製剤(投与されたかたは輸血と同じく献血不可)と同じ考えのものなので、理論上は感染症などのリスクがゼロではありません。
ちなみに販売から40 年、感染症の報告は一件もありません。
一方、馬や羊などの動物性プラセンタはどうかというと、活性という意味では比較が難しいものです。
全く効果がないとも言えなく、どれぐらいの効果があるとも言えません。
メーカーによりまちまちというのも現状です。
プラセンタがもたらす効果
上記の有効成分から考えられるプラセンタの効果は様々です。
婦人科系でいうと更年期障害、生理不順、生理痛、乳汁分泌障害など、皮膚科系でいうとにきび、湿疹、蕁麻疹などアレルギー、その他にも肝機能障害、めまい、耳鳴り、花粉症、自律神経失調症、うつ病、不眠症、肩こりなど、挙げたらきりがないくらい幅広いものです。
医療において、注射薬が更年期障害、肝機能障害などの保険適応にもなっています。
アンチエイジングでは、美肌、美白などの効果もあります。
次回は、なぜプランセンタはこのように幅広い作用が考えられるか、プラセンタの投与方法等をご紹介します。
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