2020年6月19日2024年3月15日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

注目の美容成分 敏感肌に効果のある「イチョウ葉エキス」

今回は、『注目の美容成分 敏感肌に効果のある「イチョウ葉エキス」』についてお伝えしていきます。

 

イチョウ (Ginkgo biloba L.)はイチョウ科に属する一科一属一種の植物で、日本の他、中国、朝鮮半島など東洋に分布しており、その種子であるギンナンは食用として古くから使われています。

 

また、その葉より抽出したエキスは血管系の老化、特に脳の末梢血流の改善、精神的兆候の改善などの効果があるため、脳動脈硬化症、老人性痴呆などの治療を目的とした医薬品(国外)、健康食品(国内)として用いられています

 

 

 

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イチョウ葉エキスの成分としてはテルペンラクトン類のギンゴライドA, B, C, J 、ビロバライド、フラボノール配糖体ではケルセチン配糖体、ケムフェロール配糖体、イソラムネチンなどです。

 

イチョウ葉エキスはイチョウの葉の50v/v%のエタノール抽出物を50v/v% 1,3ーブチレングリコールに転溶したもので、主な組成はフラボノイド、糖類、タンニンです。

 

消費者が感じる敏感肌とは、皮膚のかさっき、肌荒れ、あるいは乾燥によるかゆみといったドライスキンを言っていることが多く、一部にはニキビ・吹き出物や日焼けといった皮膚トラブルも含まれます。

 

このような敏感肌では、皮膚バリア機能の低下、刺激闘値の低下などによって易刺激性が亢進しています。

 

皮膚外来の刺激は皮膚内部に様々なメディエーターを産生させ、炎症やアレルギーなどを引き起こしますが、敏感肌は普通肌に比べて環境からの刺激に対して感受性が高くなっています。

 

生活環境のなかで、乾燥によって皮膚バリア機能の低下や角層水分量の低下が引き起こされ、表皮が肥厚し、未熟でバリアも水も保つ力のない角層がつくられ、かさつきや鱗屑状のドライスキンになります。

 

正常な皮膚の角層であれば約2週間かかってターンオーバーしますが、乾癬、アトピー性皮膚炎、湿疹などの皮膚炎ではいずれもターンオーバーが早く終了し未熟な角層がつくられます

 

また、これらの疾患部ではPAF (血小板活性化因子) の高値も報告されています。

 

 

 

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皮膚のバリア機能が低下すると、外部から皮膚に抗原が侵入しやすくなり、また刺激に対して感受性が高いため、炎症やアレルギーなどを引き起こしやすいと考えられ、その際、皮膚にPAFが過剰に産生され炎症がおき、またかゆみによりひっ掻いて傷をつけて、さらに刺激に敏感な肌になるという悪循環をおこして症状が悪化します。

 

ギンコライドとそれを含むイチョウ葉エキスは乾燥による肌荒れを防止する効果があります。

 

そのメカニズムはギンゴライドがPAFに拮抗することにより炎症を防止し、刺激に敏感な肌になる悪循環を改善すると考えられます。

 

 

 

この記事を書いた人

前田 憲寿 先生

前田 憲寿 先生

*医学博士

*東京工科大学 応用生物学部 教授

*日本スキンケア協会 顧問

*特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長

九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。

 

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