2026年1月19日2026年1月19日カウンセリングテクニック,美容コラム
エステの音楽(BGM)完全ガイド|癒し効果・選び方・著作権まで徹底解説

エステの時間を「ただ施術を受ける時間」から、「心までほどける特別な体験」に変えてくれるもの――それが音楽(BGM)です。
実は、どんな曲をどの音量で、どのタイミングで流すかによって、リラックスの深さや体感時間、さらには口コミの印象まで大きく変わります。
一方で、選曲を間違えると“良かれと思ったBGM”が逆に落ち着かなさや違和感の原因になることも。
このコラムでは、エステに音楽が必要な理由から、メニュー別のおすすめ、自然音の使い方、著作権で気をつけたいポイント、そしてリピートにつながるプレイリスト設計まで、サロン運営にすぐ活かせる形でわかりやすくまとめました。
あなたのサロンらしさを音で整え、選ばれる空間づくりを一緒に始めていきましょう。
なぜエステに音楽が必要?BGMが与える5つの効果

リラックス(副交感神経)を促しやすい理由
エステは「安心して身をゆだねられる状態」を作ることが大切です。
やわらかな音楽は呼吸を整え、緊張でこわばりやすい肩・あご・眉間の力を抜くきっかけになります。
静けさを保ちつつ一定のリズムがあると、環境音の刺激を和らげ、心身が落ち着きやすい雰囲気をつくれます。
施術満足度・体感時間・口コミに与える影響
同じ施術でも「心地よかった」「あっという間だった」と感じるかは体験設計で変わります。
BGMが途切れず流れていると没入感が高まり、手技のリズムやテンポも心地よく伝わりやすいもの。
結果として満足度が上がり、「癒された」「空間が良かった」といった口コミにつながります。
会話量の調整(無音の気まずさを防ぐ)
無音は、気を遣うお客様にとってプレッシャーになる場合があります。
BGMがあると沈黙が自然になり、必要なカウンセリング以外は静かに過ごしたい方にも配慮できます。
反対に会話を望む方でも、音楽があることで声量や話す間合いが整い、落ち着いたコミュニケーションになりやすいです。
サロンの世界観(ブランディング)を作る
音楽は香りや照明と同じく「記憶に残る要素」です。
上品・ナチュラル・ラグジュアリーなど、目指す印象に合ったBGMを統一すると、サロンらしさが伝わりやすくなります。
選曲の一貫性は信頼感にも直結し、「また来たい」と思わせる空気をつくります。
スタッフ側の集中力・作業リズムにも効く
BGMはお客様だけでなく施術者のコンディションにも影響します。
一定の音環境は外部の雑音をマスクし、施術のリズムを整え、疲労感の軽減にも役立ちます。
結果として手技の安定や所作の丁寧さにつながり、サロン全体の品質を底上げします。
エステBGMの選び方|失敗しない基本ルール

音量は何dBが目安?(小さすぎ・大きすぎの弊害)
エステの音楽は「聞こえるけれど主張しない」が基本です。
大きすぎると会話や呼吸を邪魔し、緊張や疲れにつながります。
逆に小さすぎると生活音(ドア音・足音・機器音)が目立ち、落ち着きにくくなることも。
目安は“ささやき声より少し下〜同程度”の感覚で、施術中にお客様の声が無理なく聞き取れる音量に調整します。
個室の広さ、壁材、反響の有無で体感が変わるため、実際にベッドに横になって確認するのが確実です。
テンポ(BPM)と“落ち着く曲”の考え方
落ち着きやすい音楽は、速すぎないテンポと安定したリズムが特徴です。
BPMが高いと心拍が上がる方向に引っ張られやすく、痩身やアクティブな施術には良くても、フェイシャルやリラク系ではそわそわする原因になります。
おすすめは一定のテンポで抑揚が穏やかな曲。
途中で盛り上がる展開や急な転調が少ないものを選ぶと、施術の“没入感”が切れにくくなります。
歌入りはOK?NG?(施術メニュー別の結論)
歌入りは好みが分かれやすく、歌詞の意味が頭に入るとリラックスが途切れることがあります。
基本はインストゥルメンタル(歌なし)が無難。
どうしても歌入りを使うなら、待合・カウンセリングなど“起きている時間帯”に限定し、施術中は避けるのがおすすめです。
一方、痩身やトレーニング要素のあるメニューでは、軽いボーカルがモチベーションを支える場合もあります。
メニューの目的に合わせて使い分けましょう。
スピーカー配置で体感が変わる(音の“近さ”対策)
同じ音量でも、音が耳元から聞こえると圧を感じ、遠すぎると物足りません。
スピーカーはベッドに対して真正面より、斜め上方向から“包むように”響く位置が理想です。
床置きで低音が強調される場合は、少し高さを出すだけでも改善します。
左右のバランスが偏ると落ち着かないため、可能なら2台で均一に。
音の「距離感」を整えることで、サロン全体の上質感も上がります。
広告・通知音が最悪な理由(アプリ/端末設定チェック)
せっかく整えた空間も、突然の通知音や広告で一気に現実へ引き戻されます。
BGMは“途切れないこと”が価値なので、再生端末は通知オフ、広告の出ない環境、操作音オフを徹底しましょう。
可能なら業務用のBGMサービスやオフライン再生にして、通信不良で止まるリスクも減らします。
小さな事故を防ぐことが、信頼とリピートにつながります。
【メニュー別】エステの音楽おすすめ(施術シーンで最適化)

フェイシャルに合う音楽(繊細さ・清潔感)
フェイシャルは手技が細かく、呼吸や肌の感覚が繊細になりやすい時間。
音楽は透明感のあるピアノ、アンビエント、控えめな自然音ミックスなど「音の角が立たない」ものが相性◎です。
高音がキラキラしすぎる曲や、突然の盛り上がりは覚醒につながるため避け、一定のトーンで静かに流れるものを選びましょう。
痩身・ボディに合う音楽(リズムとモチベ)
痩身やボディは圧やテンポが出やすく、気分を前向きに保つ設計が鍵。
Lo-fi、軽めのチル、穏やかなハウス系など、程よいビート感がある曲が向きます。
ただし強い低音や派手なドロップは緊張や疲労感につながることも。
施術が「しっかり」でも空間は「落ち着き」を維持するバランスが大切です。
リンパ/アロマに合う音楽(深い呼吸を誘導)
リンパやアロマは副交感神経モードを深めたいメニュー。
ゆったりしたテンポのヒーリング、自然音(波・森)+薄い旋律など、呼吸を長くするイメージで選びます。
音数が多い曲は情報量が増えて脳が働きやすいので、シンプルで反復が少ない構成がベター。
香り・照明と同じ方向性に揃えると没入感が高まります。
ヘッドスパに合う音楽(眠りに落とす設計)
ヘッドスパは眠りに入りやすく、音の“刺激”が少ないことが最優先。
ボーカルは避け、低〜中音域中心のアンビエント、スローなピアノ、一定のドローン系などが向きます。
曲間の無音や次曲の雰囲気差があると目が覚める原因になるため、フェード設定・曲調統一は必須。
雨音など単調な音を使うなら音量を控えめにし、耳につく帯域が出ないか確認しましょう。
カウンセリング・待合に合う音楽(安心感・信頼感)
入店直後は緊張しやすいので、明るすぎず暗すぎない“安心のBGM”が適しています。
ボサノバ、アコースティック、軽いジャズ、穏やかなインストなど、会話を邪魔しない音量とテンポがポイント。
初回カウンセリングでは「信頼できる雰囲気」が最重要なので、サロンの世界観に合う統一感を意識しつつ、主張しすぎない選曲で迎えると好印象につながります。
【ジャンル別】エステで人気の音楽と“向いているサロン”

ヒーリング/ニューエイジ
いわゆる“癒し系BGM”の王道。
音の輪郭がやわらかく、一定のテンポで流れるものが多いため、フェイシャル・リンパ・アロマなどリラク目的の施術と相性が良いです。
選び方のコツは「盛り上がりが少ない」「高音が刺さらない」「曲間が自然」なもの。
音楽の存在感を薄くするほど、お客様は施術感覚に集中でき、眠りに入りやすくなります。
自然音(雨・波・森)
自然音は“環境そのもの”を変える力があり、生活音を覆って空間のノイズを減らせるのが利点です。
特に個室で外音が気になるサロンや、静けさを好むお客様が多い場合に効果的。
注意点は単調さと好みの差で、波音が落ち着く人もいれば、雨音が不安を感じる人もいます。
メインではなく「薄く混ぜる」「音量を控えめにする」と失敗しにくいです。
ピアノ/クラシック
清潔感・上品さ・きちんと感を演出しやすく、サロンの信頼感を底上げするジャンルです。
フェイシャルやブライダル、肌管理系のメニューと特に相性◎。
ただしクラシックは曲によって起伏が大きく、急に音が強くなることがあるため、施術中は“穏やかな楽章”やピアノソロ中心が安心です。
待合〜カウンセリングで取り入れるのもおすすめ。
Lo-fi/チル
若い層や「おしゃれな雰囲気」を好むお客様に刺さりやすい現代的な選択肢。
ビート感がありつつ尖りにくいので、ボディ・痩身・カウンセリングにも使いやすいです。
反面、低音が強い曲を選ぶと圧を感じたり、眠りたいお客様には落ち着かない場合も。
サロンの客層に合わせて、ビートは控えめ・音数少なめを基準にすると使いやすくなります。
ボサノバ/ジャズ(おしゃれ系サロン向け)
「余裕」「洗練」「大人っぽさ」を作りやすく、街中サロンや美容室併設、カフェのような空気感を目指すサロンに向きます。
待合やカウンセリングで特に効果的で、会話がしやすいのもメリット。
ただしジャズは曲によって音の主張が強く、施術中は集中を妨げることもあるため、BGMとしては“軽め・音量控えめ”が基本です。
和(箏・尺八・和モダン)で差別化する方法
和の要素は「非日常」「特別感」を演出しやすく、海外のお客様や和モダン空間のサロンで強い武器になります。
ポイントは“伝統感を強くしすぎない”こと。
和楽器×アンビエントのような和モダンを選ぶと、落ち着きと独自性を両立できます。
店内の香り・内装・制服などと一貫させるほどブランドとして記憶に残り、「あのサロン、雰囲気が良かった」という口コミにつながりやすくなります。
エステBGMの“自然音”は本当に効果がある?上手な使い方

自然音が合うケース/合わないケース
自然音は、音楽というより「環境づくり」に近いBGMです。
合うのは、静けさを求めるお客様が多いサロン、外の騒音が入りやすい立地、眠りに誘導したいヘッドスパ・アロマ・リンパ系メニューなど。
“現実感”を薄めて没入感を高めたいときに力を発揮します。
一方で合わないケースもあります。
たとえば痩身などテンポ感が欲しい施術、会話が多いカウンセリング中心の時間帯、また自然音に苦手意識があるお客様(雨音で気分が沈む、波音で船酔いのように感じる等)には逆効果になることも。
自然音は万能ではなく、客層とメニューの目的に合わせて使い分けるのが正解です。
雨音ループで逆に疲れる?単調さ対策
雨音はリラックス用途で人気ですが、同じ音が延々と続く“ループ”は人によっては気になり、脳が「パターン」を拾って疲れてしまうことがあります。
対策は3つ。
- 音量を少し下げ、主役にしない(「聞く音」ではなく「空間の膜」にする)。
- 単体ではなく、薄いパッド音やピアノなど穏やかな旋律とブレンドされた音源を選ぶ。
- 長時間メニューでは、雨→森→波など同系統で自然に切り替えて単調さを減らす。
ポイントは“変化は作るが、驚かせない”。
これだけで自然音の快適さは大きく上がります。
水音・鳥の声の「不快ポイント」と回避策
自然音が不快に感じられる原因は、だいたい「耳につく帯域」と「意味が想像できてしまう音」です。
水音がチャプチャプ近くに聞こえると、トイレや生活音を連想する人もいます。
鳥の声も、鳴き声が大きい・頻度が高いと“呼びかけ”のように感じて落ち着きません。
★回避策
- 音が近すぎないミックス(遠景の自然音)を選ぶ
- 高音が鋭いものは避ける
- 施術ベッドの耳元にスピーカーを置かない
- 初回のお客様には無難なインスト中心にして、好みが分かってから自然音を足す
自然音は「薄く、上品に」が成功の鍵です。
エステの音楽は著作権に注意!サロンで流していい音楽・ダメな音楽

店舗BGMで必要になりやすい権利(ざっくり理解)
エステで音楽を流すときは、「自分が曲を聴く」のではなく店舗の空間演出として“第三者に聴かせる”利用になります。
この場合、一般家庭の利用とは扱いが変わり、音源によっては利処理(許諾・契約・利用料)が必要になります。
ポイントは、CD・配信・アプリなど“入手方法”ではなく、どんな条件で店舗利用が認められているか。
また、著作権だけでなく、音源の権利(録音物に関わる権利)や契約条件が絡むこともあるため、「店で流す目的」に合うサービスを選ぶことが安全策です。
YouTube・個人契約サブスクを店舗で流すのはNG?
結論から言うと、個人向けのYouTubeや音楽サブスクを、そのまま店舗BGMとして使うのはリスクが高いです。
多くのサービスは“個人視聴”を前提とした利用規約で、店舗・施設などでのBGM利用を想定していない場合があります。
さらに、広告が入る、通信状況で止まる、通知音が鳴るなど、著作権以前に接客品質を落とす事故も起きやすいです。
「みんなが使っているから大丈夫」ではなく、店舗利用を明確に許可している手段かを必ず確認しましょう。
商用利用OKの音源とは(確認すべき3項目)
「商用利用OK」と書かれていても範囲は様々なので、最低限ここを見ます。
- 利用場所:店舗・サロン・待合での再生が許可されているか
- 利用形態:BGMとして流す(公衆への再生)ことが含まれるか
- 条件:クレジット表記、改変の可否、配信・録音・SNS投稿の可否など制限はあるか
この3点がクリアなら、運用しやすくトラブルを避けられます。
迷ったら、利用許諾が明確な店舗向けBGMサービスを選ぶのが堅実です。
著作権トラブルを防ぐチェックリスト(契約前/運用時)
最後に、サロン運営で“やっておくと安心”な確認ポイントをまとめます。
- 店舗利用(BGM利用)が規約で明確に許可されている
- 契約プランが法人、店舗向けになっている(個人向けを流用しない)
- 広告、通知、自動再生の暴走が起きない設定にしている
- 使用サービス名、契約内容をスタッフ全員が把握している
- 万一問い合わせが来ても説明できるよう、契約画面や規約を保存している
音楽は“癒し”の武器ですが、運用を間違えるとリスクにもなります。
最初に仕組みを整えておけば、安心してサロンの世界観づくりに集中できます。
サロンで使える音楽の入手先まとめ(商用BGMサービス比較の視点)

定額BGMサービスを選ぶポイント(曲数・雰囲気・料金)
サロンで安心して使うなら、まず検討したいのが「店舗向けの定額BGMサービス」です。
選ぶときは“曲数が多いか”より、自分のサロンの雰囲気に合うチャンネル(ジャンル)が揃っているかが重要。
たとえば、フェイシャル中心ならピアノやアンビエントが強いサービス、痩身や幅広い客層ならチル系やテンポ違いのチャンネルが豊富なサービスが向きます。
次に見るべきは料金体系と利用範囲。
1店舗単位なのか、複数店舗で使えるのか、待合・施術室・スタッフルームなど“どこまで再生OKか”が明確だと運用がラクです。
さらに、広告が出ない/曲間が自然/オフライン再生対応など、現場で事故が起きにくい仕様かも重要な比較ポイントになります。
フリー音源サイトの注意点(表記・利用範囲・改変)
コストを抑えたいときに便利なのがフリー音源ですが、ここは慎重に。
フリーには「無料=何でもOK」ではなく、条件付きの無料が多いからです。
特に確認したいのは、
①店舗BGMとしての利用が許可されているか
②クレジット表記(作者名の記載)が必要か
③編集(長さ調整・フェード・加工)が可能か
の3点。
また、同じサイト内でも楽曲ごとに利用条件が違う場合があります。
ダウンロードした時点の規約や許諾表示を保存しておくと安心です。
フリー音源は上手に使えば武器になりますが、“店舗利用の明記”がないものは避けるのが安全な運用です。
オリジナル音源・サウンドロゴで差別化する方法
他店と差をつけたいなら、オリジナルBGMや短いサウンドロゴ(数秒の“音の名刺”)も効果的です。
入店時やカウンセリング開始時など、決まったタイミングで同じ音が流れると、体験が記憶に残りやすくなります。
オリジナルの良さは、著作権面の不安を減らしつつ、サロンの世界観を音で固定できること。
たとえば「和モダン×静けさ」「都会的×クリーン」など、内装や香りと同じ方向性で設計するとブランド力が上がります。
制作は大掛かりにしなくても、短いループ音源やジングルから始めれば十分。
音楽を“流すもの”から“選ばれる理由”へ育てられます。
エステBGMプレイリストの作り方|リピート率を上げる“流れ”設計

来店〜カウンセリング〜施術〜お見送りのBGM設計図
BGMは「良い曲を流す」よりも、「体験の流れに合わせて整える」ことが大切です。
来店直後は緊張があるため、明るすぎず暗すぎない“安心系”からスタート。
カウンセリングでは会話を邪魔しない音量・テンポにして、信頼感をつくります。
施術に入ったら、曲調はよりシンプルに、音の主張を弱めて没入感を優先。
最後のお見送りでは、少しだけ明るさや温かみのある曲へ戻すと、気分よく現実に戻れます。
ポイントは「場面ごとに切り替える」のではなく、違和感が出ないように“なだらかに移行”させることです。
時間帯(朝/昼/夜)で変えるべき理由
同じBGMでも、朝と夜では体感が変わります。
朝は身体が起き切っていない方も多く、重すぎる音はだるさにつながることがあるため、透明感のある軽いトーンが向きます。
昼は外の雑音が入りやすい時間帯なので、環境音をほどよく包む安定したBGMが便利。
夜は副交感神経に切り替えたいお客様が多いので、テンポを落としてより“眠り寄り”にすると満足度が上がりやすいです。
時間帯に合わせるだけで、「なんか居心地がいい」が自然に作れます。
季節(夏・冬)で“体感温度”が変わるBGM
音楽は体感温度にも影響します。
夏は、重たい低音やこもった音が暑苦しく感じることがあるため、涼しげな音色(ピアノ、ベル系、透明感のあるアンビエント)が相性◎。
冬は、少し温かみのある中音域や、丸い音(アコースティック系、穏やかなジャズなど)を入れると“ぬくもり”が出ます。
空調やブランケットだけでなく、音でも快適さを補えると、細やかな気配りとして伝わります。
曲間・フェード設定で「現実に戻す瞬間」を消す
プレイリスト作りで一番の落とし穴は、曲間の無音や突然の曲調変化です。
静かな施術中ほど、曲が切れた瞬間に生活音が目立ち、お客様がスッと現実に戻ってしまいます。
対策はフェードイン・フェードアウトを使い、曲間を自然につなぐこと。
可能なら同じ音色・近いテンポで統一し、違うジャンルに飛ばないように並べます。
BGMは“存在を感じさせないほど良い”。
この設計ができると、没入感が続き、施術体験の質が一段上がります。
お客様タイプ別|刺さる音楽の傾向(年代・好み・目的)

静かさ重視のお客様への配慮
「とにかく静かに休みたい」タイプには、BGMの存在感を極限まで薄くするのが正解です。
おすすめは音数が少ないアンビエントや、やわらかなピアノ、遠景の自然音など。
音量は“聞こえるか聞こえないか”の境目に近い程度にし、低音が響きすぎないよう調整します。
曲調の変化や転調があると気になりやすいので、同じ質感の曲をまとめて「空間の膜」を作るイメージが効果的。
無音が好きな方もいるため、事前に「静かめと音楽あり、どちらが落ち着きますか?」と選べる導線があると安心感が高まります。
眠りたいお客様/話したいお客様
眠りたい方には、テンポが遅く抑揚が少ない曲が向きます。
歌入りは避け、曲間が出ないようフェード設定や長尺音源を活用すると、眠りを邪魔しません。
逆に話したい方には、明るすぎないボサノバや軽めのジャズ、アコースティックなど“会話の邪魔をしない心地よさ”が相性◎。
ポイントは、会話を促すのではなく「会話がしやすい空気」を作ること。
施術中は静かに寄せ、カウンセリングやお見送りで少しだけ明るくするなど、シーンでの切り替えも有効です。
男性客・ペア来店での無難解
男性客やペア来店は好みの幅が広く、尖った選曲ほど外れやすい傾向があります。
無難解は、インスト中心のチル、落ち着いたLo-fi、穏やかなクラシックやピアノなど「中立で清潔感のある音」。
自然音は好みが割れるため、最初は薄めに混ぜる程度が安全です。
またペアの場合、会話したい人と眠りたい人が混在することもあるため、音量は控えめにし、会話を邪魔しないレンジに置くと満足度が落ちにくくなります。
好みのヒアリングを自然に聞く質問例
音楽の好みはストレートに聞くと答えにくいこともあるので、「目的」と「過ごし方」から引き出すのがコツです。
たとえば、
- 「今日はゆっくり眠りたい気分ですか?リフレッシュしたい気分ですか?」
- 「施術中は静かに休みたい派ですか?お話ししながら派ですか?」
- 「自然音(雨・波)と音楽だと、どちらが落ち着きますか?」
このように選択肢で聞くと負担が少なく、最適なBGMに寄せやすくなります。
好みに合わせられる体験は“気が利くサロン”として印象に残り、リピートにもつながります。
まとめ
音楽はエステの“脇役”ではなく、満足度とリピートを左右する重要な体験要素です。
適切なBGMは呼吸を整え、緊張をほどき、副交感神経が働きやすい空気をつくります。
さらに、無音の気まずさを減らして会話量を自然に調整し、施術への没入感を高めることで「体感時間が短い」「癒された」と感じやすくなります。
選曲はメニューや客層に合わせ、テンポ・音量・曲調の統一、曲間のフェードなど“流れ”を設計するのがコツ。
加えて店舗利用では著作権や規約確認も欠かせません。
香りや照明と同じように、音で世界観を整えることが、信頼されるサロンづくりにつながります。








