2025年12月18日2025年12月18日お肌のセルフエステ,お肌のトラブルケア
表情筋の衰えがたるみを招く？原因と正しいケアを専門的に解説
年齢とともに気になり始める「顔のたるみ」。
スキンケアを頑張っているのに、フェイスラインや口元の変化を感じることはありませんか。
その原因は、肌表面だけでなく、顔の内側にある「表情筋」の衰えにあるかもしれません。
表情筋は、私たちの表情をつくるだけでなく、肌を内側から支える重要な役割を担っています。
本コラムでは、表情筋とたるみの関係をわかりやすく解説し、日常生活で意識したいポイントや、無理なく続けられるケア方法についてご紹介します。
たるみにくい健やかな表情づくりのヒントを、ぜひ見つけてください。
表情筋とは？たるみと密接な関係性を科学的に解説
表情筋とは何か？顔のたるみを左右する重要な筋肉
顔のたるみを語るうえで欠かせない存在が「表情筋」です。
表情筋とは、顔の皮膚に直接付着し、笑う・話す・目を閉じるといった表情をつくるために働く筋肉の総称です。
身体の筋肉とは異なり、骨と骨をつなぐのではなく、皮膚を動かすという特徴を持っています。
顔には30種類以上の表情筋があり、眼輪筋や口輪筋、頬筋などが連動して働くことで、肌は内側から支えられ、若々しい印象が保たれています。
表情筋の衰えが「たるみ」を引き起こす理由
加齢や生活習慣の影響によって表情筋が衰えると、筋肉による支えが弱まり、皮膚や脂肪が重力に負けて下がりやすくなります。
これが、フェイスラインの崩れやほうれい線、口角の下がりといった「たるみ」の原因です。
特に現代は、マスク生活やスマートフォンの使用時間増加により、表情筋を使う機会が減少し、筋力低下や柔軟性の低下が起こりやすい環境にあります。
表情筋と皮膚老化の関係｜たるみは筋肉から始まる
表情筋の衰えは、皮膚の老化とも深く関係しています。
筋肉の動きが少なくなると血行やリンパの流れが滞りやすくなり、むくみやすい状態を招きます。
また、肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチンの働きにも影響を与えると考えられています。
たるみ対策というとスキンケアに目が向きがちですが、肌の土台である表情筋を理解し、正しくケアすることが根本的なたるみ予防につながるのです。
表情筋の衰えが顔の形状に与える影響
フェイスラインが崩れる原因は表情筋の支え不足
顔の輪郭を形づくっているのは、骨格だけではありません。
実はその上にある表情筋が、皮膚や皮下脂肪を内側から支えることで、すっきりとしたフェイスラインが保たれています。
しかし表情筋が衰えると、この支える力が弱まり、重力の影響を受けやすくなります。
その結果、あご下や頬のラインがぼやけ、顔全体が下に引っ張られたような印象になってしまいます。
年齢を重ねるにつれて「顔が大きく見える」「輪郭が四角くなった」と感じる背景には、表情筋の筋力低下が関係しているケースが少なくありません。
ほうれい線・口角の下がりは筋肉バランスの乱れから
ほうれい線や口角の下がりも、表情筋の衰えによって目立ちやすくなる代表的な変化です。
口元や頬を引き上げる筋肉が弱くなる一方で、下方向へ引く筋肉の影響が強くなると、筋肉のバランスが崩れ、皮膚が下に引き込まれやすくなります。
その結果、口元に影ができ、実年齢以上に疲れた印象や老けた印象を与えてしまいます。
表情筋は単独で働くのではなく、複数の筋肉が連動して顔の形を保っているため、部分的な衰えが顔全体の印象に大きく影響するのです。
表情筋の低下が「むくみ顔・たるみ顔」を招く理由
表情筋の動きが少なくなると、血行やリンパの流れも滞りやすくなります。
これにより余分な水分や老廃物が排出されにくくなり、顔がむくみやすい状態に陥ります。
むくみが慢性化すると皮膚が伸び、結果的にたるみを助長する原因になります。
「朝は特に顔が重たい」「夕方になるとフェイスラインが下がる」と感じる場合、表情筋の働きが低下しているサインかもしれません。
顔の形状変化を防ぐためには、スキンケアだけでなく、表情筋を動かし、巡りを促す視点が欠かせないのです。
表情筋にアプローチする生活習慣がたるみ予防の鍵
表情筋を衰えさせる日常のクセに気づくことが第一歩
表情筋は、意識して動かさなければ衰えやすい筋肉です。
現代人に多いのが、無表情で過ごす時間の増加です。
マスク生活や在宅ワークの普及、スマートフォン操作による下向き姿勢などは、表情筋を十分に使わない原因になっています。
特に口元や頬の筋肉は使われにくく、気づかないうちに筋力低下が進み、たるみとして表面化してしまいます。
まずは、日常の中で「表情筋を使っていない時間が多いかもしれない」と自覚することが、たるみ予防の第一歩です。
姿勢・呼吸・表情が表情筋の働きを左右する
表情筋の状態は、顔だけの問題ではありません。
猫背や前傾姿勢が続くと首や肩まわりの筋肉が緊張し、血行不良を引き起こします。
その影響は顔にも及び、表情筋がこわばり、動きにくい状態になります。
また、浅い呼吸が続くと酸素供給が低下し、筋肉の働きも鈍くなりがちです。
背筋を伸ばし、深くゆったりとした呼吸を意識することで、顔まわりの筋肉も自然に動きやすくなります。
日常姿勢の見直しは、表情筋ケアの土台といえるでしょう。
毎日の小さな習慣がたるみにくい顔をつくる
表情筋を健やかに保つためには、特別なケアだけでなく、日々のちょっとした習慣が重要です。
会話の際に口をしっかり動かす、笑顔を意識する、鏡を見たときに表情を確認するなど、些細な行動の積み重ねが表情筋を刺激します。
また、スキンケア時にやさしく肌に触れることで、自分の顔の状態に意識が向きやすくなり、筋肉の緊張にも気づきやすくなります。
こうした生活習慣の積み重ねが、たるみにくく引き締まった印象の顔へと導いてくれるのです。
表情筋タイプ別｜たるみが出やすい人の特徴チェック
顔のたるみは年齢だけが原因ではありません。
実は、日常生活の中での表情筋の使い方によって、たるみが出やすいタイプがあると考えられています。
表情筋は一人ひとり使い方にクセがあり、その違いがフェイスラインや口元、頬の印象に影響を与えます。
まずは自分がどのタイプに近いのかを知ることが、適切なケアへの第一歩になります。
無表情タイプ｜表情筋をあまり使っていない人
会話が少ない、マスク生活が長い、無意識に真顔で過ごす時間が多い方は、表情筋を十分に使えていない可能性があります。
このタイプは筋肉そのものが動かされないため、筋力低下が起こりやすく、頬の下垂やフェイスラインのぼやけにつながりやすい傾向があります。
まずは日常の中で表情を意識し、口角を上げる、しっかり話すなど、表情筋を動かす習慣づくりが大切です。
片側使いタイプ｜左右差が出やすい人
食事の噛み癖や、片側だけで表情を作るクセがあると、左右の表情筋のバランスが崩れやすくなります。
このタイプは、口角の高さやほうれい線の深さに左右差が出やすく、顔全体の歪みやたるみにつながることがあります。
鏡を見て笑ったときの左右差に気づいたら、反対側の筋肉も意識して動かすことを心がけましょう。
緊張タイプ｜こわばりがたるみを招く人
ストレスを感じやすい方や、歯を食いしばるクセがある方は、表情筋が常に緊張している状態になりやすいといわれています。
筋肉が硬くこわばると、血行やリンパの流れが滞り、むくみやすくなり、結果としてたるみが目立つ原因になります。
このタイプは「鍛える」よりも「ゆるめる」意識が重要で、深い呼吸やリラックスを取り入れることが効果的です。
自分のタイプを知り、合ったケアを選ぶことが大切
表情筋ケアは、すべての人に同じ方法が合うわけではありません。
自分の表情筋の使い方やクセを知り、それに合ったアプローチを選ぶことが、たるみにくい顔づくりにつながります。
大切なのは、無理なく続けられる方法を日常生活に取り入れることです。
自分の顔と向き合い、表情筋の声に耳を傾けることが、健やかな表情への近道といえるでしょう。
科学的根拠に基づく表情筋トレーニング法
表情筋トレーニングの基本原則｜やみくもに動かさない
表情筋トレーニングは、ただ顔を大きく動かせばよいというものではありません。
筋肉には「正しい方向に、適切な強さで動かす」という基本原則があります。
特に表情筋は皮膚に近い位置にあるため、過度な力や無理な動きは、かえってシワや肌負担につながる可能性があります。
重要なのは、筋肉の動きを意識しながら、ゆっくりと収縮と弛緩を繰り返すことです。
短時間でも質の高い動きを行うことで、表情筋は効率よく刺激されます。
部位別に意識する表情筋トレーニングの考え方
表情筋は顔全体で連動していますが、たるみが気になりやすい部位ごとに意識することで、より効果的なケアが可能になります。
- 目元：まばたきを丁寧に行い、眼輪筋をしっかり使うことがポイント。
- 口元：口をすぼめる・横に引くといった動きで口輪筋を刺激。
- 頬やフェイスライン：口角を引き上げる動きを意識することで、下がりやすい筋肉にアプローチ
どの部位でも共通するのは、「動いている筋肉を感じ取ること」です。
意識を向けることで、表情筋はより活性化しやすくなります。
継続が鍵｜表情筋トレーニングの頻度と注意点
表情筋トレーニングは、毎日少しずつ続けることが大切です。
長時間行う必要はなく、1回数分でも十分とされています。
大切なのは、無理をせず、心地よい範囲で行うことです。
疲労を感じた場合は休むことも重要で、筋肉を回復させる時間が次の効果につながります。
また、トレーニング中に顔を強くこすったり、引っ張ったりしないよう注意しましょう。
表情筋トレーニングは「続けられること」が最大の効果を生み、たるみにくい顔印象を育てていくのです。
表情筋ケアとスキンケアを融合する方法
表情筋ケア前後のスキンケアが効果を左右する
表情筋へのアプローチをより効果的にするためには、スキンケアとの組み合わせが重要です。
表情筋トレーニングや簡単なマッサージを行う前には、肌をやわらかく整えておくことがポイントになります。
洗顔後に化粧水や美容液で十分に保湿し、肌のすべりを良くしておくことで、不要な摩擦を防ぐことができます。
また、ケア後には水分と油分をバランスよく補うことで、肌のコンディションを安定させ、表情筋ケアの効果を持続させやすくなります。
マッサージとの違いを理解し、肌負担を避ける
表情筋ケアというと、強く押したり引き上げたりするマッサージをイメージする方も多いかもしれません。
しかし、過度な刺激は皮膚に負担をかけ、かえってたるみやシワを招く可能性があります。
表情筋トレーニングは、筋肉そのものを「動かす」ことが目的であり、皮膚を強く動かす必要はありません。
スキンケア時は、指先でやさしく触れ、筋肉の位置を意識する程度で十分です。
「強さ」よりも「丁寧さ」を意識することが、たるみ予防につながります。
表情筋ケアを習慣化するための取り入れ方
表情筋ケアとスキンケアを無理なく続けるためには、特別な時間を設けるよりも、毎日のルーティンに組み込むことがおすすめです。
朝晩のスキンケアの際に、表情筋を意識しながら数分間行うだけでも十分な刺激になります。
鏡を見ながら行うことで、左右差や表情のクセにも気づきやすくなります。
また、「気持ちいい」「心地よい」と感じる強さで行うことが、継続のコツです。
表情筋ケアは、肌をいたわりながら行うスキンケアと組み合わせることで、たるみにくい顔印象を育てていくサポートとなるのです。
最新トレンドから見る表情筋ケアの可能性
表情筋にアプローチする美容機器の特徴と役割
近年、表情筋ケアの分野では、美容機器を活用したアプローチが注目されています。
代表的なものが、微弱な電気刺激を用いて筋肉を動かすEMS機器です。
EMSは自分では動かしにくい表情筋にも刺激を与えられる点が特徴とされ、効率的なケア手段として取り入れられています。
ただし、機器に頼りきるのではなく、正しい使用方法や頻度を守ることが重要です。
表情筋は繊細な筋肉であるため、過度な刺激は逆効果になる場合もあります。
補助的なケアとして活用する意識が大切です。
フェイスヨガ・セルフケアとの違いを理解する
表情筋ケアには、フェイスヨガやセルフエクササイズといった方法もあります。
これらは呼吸や姿勢を意識しながら、表情筋を自分の力で動かす点が特徴です。
機器を使わず、日常生活の中で取り入れやすいというメリットがあります。
一方で、自己流になりやすく、誤った動きが癖づいてしまう可能性もあります。
大切なのは「正しい使い方」と「やりすぎないこと」です。
どの方法を選ぶ場合でも、表情筋の構造を理解し、無理のない範囲で行うことが、たるみ予防につながります。
最新ケアを取り入れる際に意識したい安全性
新しい表情筋ケアを取り入れる際に最も重要なのは、安全性への配慮です。
即効性や強い刺激を求めすぎると、肌トラブルや筋肉疲労を引き起こす可能性があります。
特に顔の皮膚は薄くデリケートなため、「続けられる」「心地よい」と感じるケアを選ぶことが基本です。
最新の技術やトレンドは、あくまで表情筋ケアをサポートする選択肢のひとつです。
日々の生活習慣やセルフケアを土台とし、その上で無理なく取り入れることが、長期的なたるみ対策として理想的な考え方といえるでしょう。
まとめ 表情筋を整えることが、たるみにくい顔づくりにつながる
顔のたるみは、皮膚表面だけの問題ではなく、内側にある表情筋の衰えや使い方が深く関係しています。
加齢や生活習慣によって表情筋の働きが低下すると、フェイスラインの崩れや口元の下がりといった変化が現れやすくなります。
本記事でお伝えしてきたように、表情筋の構造を理解し、日常生活のクセを見直し、無理のないトレーニングやスキンケアと組み合わせていくことが、たるみ予防の基本です。
即効性を求めすぎず、毎日の積み重ねを大切にすることが、年齢を重ねても健やかでいきいきとした表情を保つ近道といえるでしょう。
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大手エステサロン2社に勤務し、店長マネージャー、トレーナーとして社員教育や顧客向けのイベント講師などを務める。 メンズエステ指導、トレーナー育成やシンガポールの大手チェーン店への技術指導研修などの経験も持つ。
現在は35年間の美容経験と教育指導30年キャリアを活かし、自サロンの運営、サロンのコンサルティング、独立開業の支援などを中心に現場に沿った指導を行う。日本のみならず中国のエステサロンでも教育を行う。これまでに教育した人数は5,000名以上。
