2018年8月27日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

美容&スキンケア情報「注目の美容成分 『表皮・真皮の機能低下を防ぐエイジングケア素材「イリス根エキス」』」

注目の美容成分 『表皮・真皮の機能低下を防ぐエイジングケア素材「イリス根エキス」』

今日は、注目の美容成分 『表皮・真皮の機能低下を防ぐエイジングケア素材「イリス根エキス」』について記載いたします。

 

シロバナイリス[ニオイイリス(ニオイアヤメ)、学名;Iris florentina L., (Iridaceae)]はヨーロッパ原産で、各地で鑑賞用に栽培されています。
皮を剥いだ根茎(イリス根)は、白色ないし黄白色で偏平な節部からなり、約0.2%の精油は、
スミレの香りがするirone類(精油の10%-20%)を含有します。
主として民間療法で、風邪の際に去痰剤や粘滑剤として用いられています。

 

 

イリス根には、フラボノイドやイソフラボンも含まれており、イソフラボンのイリゲニンは、

cAMPホスホジエステラーゼに対する抑制作用やNF-κB活性化の抑制作用が報告されています。

 

シロバナイリスの根茎を水と、1,3-ブチレングリコール(BG)の混液で抽出して得られるエキス(イリス根エキス)は、
培養ヒト表皮角化細胞のラミニン5の産生を増加させる作用があることが知られています。
紫外線による表皮基底膜損傷に対して、ラミニン5の産生を上げることにより、
基底膜を強化し、表皮の機能低下を防ぐことが期待され、エイジングケア化粧品に配合されています。
また、イリス根エキスには、線維芽細胞のインテグリンα2のmRNA発現を増加させる作用もあります。

 

インテグリンは細胞表面タンパク質のひとつで、主に細胞外マトリックスへの細胞接着、
細胞外マトリックスからの情報伝達に関与する細胞接着分子です。
α鎖とβ鎖の2つのサブユニットからなるヘテロダイマーであり、異なるα鎖、β鎖が存在し、多様な組み合わせが可能です。

 

 

歴史的には、皮膚線維芽細胞においては、α2β1インテグリンは、

α2サブユニットにあるコラーゲン結合ドメイン(α2-I ドメイン)を介してコラーゲンと相互作用します。
したがって、イリス根エキスがインテグリン α2のmRNAを増加させることにより、α2サブユニットが増加し、
線維芽細胞のコラーゲン接着性を増加させる作用があり、真皮の機能低下を防ぐことが期待されます。

 

記事


前田 憲寿 先生

医学博士

東京工科大学 教授

日本スキンケア協会 顧問

 

 

 

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