みずみずしいうるおいのある素肌【角層の水】①
カテゴリー:大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識
2023年5月30日
大学教授に教わる
みずみずしいうるおいのある素肌【角層の水】①
をご紹介します。
皮膚の最外層には、角質細胞が 15 ~ 20 層に積み重なった厚さ 20 μ m 程度の角層があります。
角層は皮膚を乾燥などから守るバリア機能を担っています。
角層の柔軟性は、その水分量によって変わり、
10~ 20% のとき自然な柔軟性を示し、
10% より少なくなると角層がひび割れ、肌荒れが生じるといわれています。
角層の固形成分の比率は、およそケラチンが58%、脂質が11%、NMF が 30 % です。
種々の原因により角層の保湿機能が失われると
水分含量が低下し、皮膚の表面は乾燥して容易に亀裂を生じ、
悪化すると鱗屑や過剰な落屑を生じるようになります。
さらに、肌の透明感や化粧のりの良さは角層に含まれる水分量で決められているといってもよいぐらいです。
角層の水分は、角層内のNMF やタンパク質などの分子に結合している結合水です。
結合水には2 種類あり、一次結合水は、
160℃で3 分間加熱してはじめて結合がはずれる水で、
通常角層の総重量の 5% 以上含まれています。
一方、乾燥した状態でゆっくりと離れていくような、比較的弱い結合をする水を二次結合水と呼びます。
この水は、温度・湿度などの外部環境により
容易に吸着・離脱を繰り返す水で、角層の水分保持はいかにこの二次結合水を保てるかに依存しています。
この二次結合水の量は、共存する分子の種類と量によっても異なります。
二次結合水の容量を超えて 角層が水を含んだ場合は、
この水は自由水となり、この自由水の量が
一定量を超えると過水( 浸軟) となり、
柔らかくて強靭な性質を失い、ハリがなく脆い角層になります。
次回は、皮膚表面を美しくきれいに保つために…をご紹介します。
(引用:会報誌manabi vol.8)
記事
前田 憲寿 先生
医学博士
東京工科大学 応用生物学部 応用生物学科
一般社団法人日本スキンケア協会 顧問
特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長
九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。
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