みずみずしいうるおいのある素肌【角層の水】②
カテゴリー:大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識
2023年5月31日
前回に引き続き、大学教授に教わる
みずみずしいうるおいのある素肌【角層の水】②
をご紹介します。
皮膚表面を美しくきれいに保つためには、角層の柔軟性を
維持することが重要であり、角層の柔軟性維持には“結合水”の存在が何にもまして重要です。
角層中のNMF やタンパク質などと水との結合により角層は柔軟化します。
角層中で水をしっかり結合させた状態を保つのが保湿因子です。
なかでもグリセリンは結合水が2.2g 水/g 乾燥重量と水をしっかり結合させる性質があります。
プロピレングリコールの結合水( g H2O/dry g ):2.8
グリセリンの結合水( g H2O/dry g ):2.2
PEG300の結合水( g H2O/dry g ):2.0
PEG400の結合水( g H2O/dry g ):1.9
ポリビニルピロリトンの結合水( g H2O/dry g ):1.4
ゼラチン:1.3
グリセリンは中性脂肪 ( トリグリセリド) が分解されて遊離脂肪酸とともに生成されます。
角層のグリセリンは、皮脂腺でのトリグリセリドの分解や
表皮角化細胞での脂質代謝によって生成されます。
頬表面でのグリセリン量は0.7 μ g /cm2 と
報告されているので、皮脂膜の厚さを0.5 μ m とすると、
およそ1.4% のグリセリン溶液で皮膚表面が覆われていることになります。
したがって、皮膚表面では、水をしっかり結合させた状態が保たれていると考えられます。
皮脂膜には、このほかに遊離脂肪酸やトリグリセリド、
ワックスエステル、スクワレンや汗の中の乳酸、
アミノ酸などが含まれており、pH4.5 ~ 6.5の弱酸性に皮膚を保つ働きもあります。
皮脂は一定の厚さになれば分泌は止まるようになっています。
個人差はありますが、洗顔後は30 分ほどで
元の角層水分量に戻り、1 時間ほどで元の皮脂量にもどります。
(引用:会報誌manabi vol.8)
記事
前田 憲寿 先生
医学博士
東京工科大学 応用生物学部 応用生物学科
一般社団法人日本スキンケア協会 顧問
特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長
九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。
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