2018年8月27日2024年3月8日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

美容&スキンケア情報「注目の美容成分 『表皮・真皮の機能低下を防ぐエイジングケア素材「イリス根エキス」』」

シロバナイリスとは

シロバナイリス[ニオイイリス(ニオイアヤメ)、学名;Iris florentina L., (Iridaceae)]はヨーロッパ原産で、各地で鑑賞用に栽培されています。

皮を剥いだ根茎(イリス根)は、白色ないし黄白色で偏平な節部からなり、約0.2%の精油は、スミレの香りがするirone類(精油の10%-20%)を含有します。

 

主として民間療法で、風邪の際に去痰剤や粘滑剤として用いられています。

 

 

 

イリス根には、フラボノイドやイソフラボンも含まれており、イソフラボンのイリゲニンは、cAMPホスホジエステラーゼに対する抑制作用やNF-κB活性化の抑制作用が報告されています。

 

 

 

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イリス根エキスの効果

シロバナイリスの根茎を水と、1,3-ブチレングリコール(BG)の混液で抽出して得られるエキス(イリス根エキス)は、培養ヒト表皮角化細胞のラミニン5の産生を増加させる作用があることが知られています。

 

紫外線による表皮基底膜損傷に対して、ラミニン5の産生を上げることにより、基底膜を強化し、表皮の機能低下を防ぐことが期待され、エイジングケア化粧品に配合されています。

 

また、イリス根エキスには、線維芽細胞のインテグリンα2のmRNA発現を増加させる作用もあります。

 

インテグリンは細胞表面タンパク質のひとつで、主に細胞外マトリックスへの細胞接着、細胞外マトリックスからの情報伝達に関与する細胞接着分子です。

 

α鎖とβ鎖の2つのサブユニットからなるヘテロダイマーであり、異なるα鎖、β鎖が存在し、多様な組み合わせが可能です。

 

歴史的には、皮膚線維芽細胞においては、α2β1インテグリンは、α2サブユニットにあるコラーゲン結合ドメイン(α2-I ドメイン)を介してコラーゲンと相互作用します。

 

したがって、イリス根エキスがインテグリン α2のmRNAを増加させることにより、α2サブユニットが増加し、線維芽細胞のコラーゲン接着性を増加させる作用があり、真皮の機能低下を防ぐことが期待されます。

 

 

 

 

この記事を書いた人

前田 憲寿 先生

前田 憲寿 先生

*医学博士

*東京工科大学 応用生物学部 教授

*日本スキンケア協会 顧問

*特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長

九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。

 

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