2025年7月15日2025年7月15日美容コラム,美容資格

年収・月収はいくら?エステティシャンの収入と将来設計の実態

エステティシャンの月収や年収は、雇用形態や社内規定によって大きく異なります。

 

まずは正社員とパート・アルバイトとの違いや、残業代・ボーナスの内訳などを見ていきましょう。

 

正社員の月収・年収はどれくらい?

 

厚生労働省が運営している職業情報提供サイト「job tag」によれば、全国にエステティシャンは119,220人ほどおり、その平均年収は320.6万円だといわれています。

 

厳密にいえば都市部の平均年収は高め、地方は低めの結果が算出されていますが、平均が320万円ほどであるため、まずはこの金額を目標にしていくと良いでしょう。

 

この金額の中には残業代やボーナスが含まれるほか、歩合制のサロンもカウントされているため、実際の年収はサロンの形態によって大きく異なります。

 

また、平均年収から算出された月額の求人賃金は23.3万円です。

 

手取りではなく総収入額となるため、ここから保険などが引かれた金額が手元に残ることとなります。

 

全体のおよそ43.6%が正社員として働いており、有効求人倍率は1.71と算出されています。

 

*引用元:job tag

 

 

 

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パート・アルバイトの月収・平均年収はどれくらい?

 

エステティシャン全体で見たときのパートタイマーやアルバイトの割合は、学生を含めて23.6%ほどです。

 

ほとんどの方が正社員または自営であり、パートタイマーやアルバイトの割合は低いでしょう。

 

このような雇用形態を選ぶ方は、夫の扶養内で働く必要があったり、介護や家事に従事する時間が必要だったりする場合が多く、おかれた状況によって月収・年収が大きく異なるでしょう。

 

そのため、パートタイマーやアルバイトの月収・年収を計算する際は、平均時給を元に算出すると良いでしょう。

 

パートタイマーやアルバイトにてエステティシャンになる場合、全国の平均時給は1.075円ほどです。

 

こちらも年収同様都市部の方が高い傾向にあるため、自分の住んでいる地域の人口を元にイメージすることをおすすめします。

 

 

エステティシャンの残業代はある?

エステティシャンの多くはシフト制で働いているため、残業をすればその分残業代が支払われることになります。

 

多くの場合は時給に1.25をかけた金額で算出されますが、サロンによって異なる場合もあります。

 

全てのサロンで残業が必須となるわけではないものの、後片付けや新たな施術の練習・カルテの記入などが時間内で終えられず、結果として残業になるケースも珍しくありません。

 

 

ボーナスの支給はある?

正社員として働く場合は特に、年に数回ボーナスが支給されるサロンもあります。

 

基本給の1ヶ月分とするところもあれば、新規コースの契約数や商品の販売数を元にした出来高制で決めるところもあるなど、サロンによって支給額に大きな差が見られます

 

元々の給与が歩合制の場合、ボーナスの制度自体がないこともあるため、事前に確認する必要があるでしょう。

 

 

 

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固定制と歩合制の違いとは?

 

エステティシャンの月収や年収を知るためには、「固定制」と「歩合制」の違いを理解しておくと良いでしょう。

 

どちらかに限定したサロンもあれば、固定制と歩合制を組み合わせている場合もあり、それぞれで働き方や給料が大きく変わってきます。

 

固定制の場合の給料や働き方は?

固定制とは、多くの場合が月給制であり、毎月決まった額の給料が支払われる形態を指します。

 

月ごとの給料があらかじめ決められているため、収入に対する支出額が安定しやすく、働きやすさを感じる方も多いでしょう。

 

働き始めたばかりでスキルが身に着いていない間も、働いた分だけしっかりと給料がもらえるため、自立した生活をしたい方にもおすすめです。

 

 

完全歩合制の場合の給料や働き方は?

完全歩合制とは、別名「インセンティブ」とも呼ばれ、自分が頑張れば頑張っただけ給料が増える仕組みです。

 

エステサロンにおけるインセンティブにもさまざまな種類がありますが、代表的なものには「新規コースの獲得」や「自社商品の販売」などが挙げられるでしょう。

 

エステティシャンの指名制度を設けている場合は、指名数がそのままインセンティブにつながることも考えられます。

 

 

固定制+歩合制の場合の給料や働き方は?

固定制と歩合制の良いところ取りができる「ハイブリッド型」は、近年多くのエステサロンが取り入れている方法の一つです。

 

基本給に歩合が追加される方式のため、最低限の給料から下回ることなく、努力の分だけ金額が加算されていきます。

 

働き始めたばかりで指名の少ない時期や、コースや商品に関する知識を学んでいる最中など、準備段階であってもしっかりと給料を受け取れるでしょう。

 

 

 

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都会と地方では給与に差がある?

 

先ほどご紹介したエステティシャンの平均年収ですが、全国平均である320.6万円に対し、都会と地方でどの程度差があるのか確認してみましょう。

 

県名 平均年収 県名 平均年収
全国 320.6万円 東京都 343.7万円
北海道 340.0万円 青森県 201.9万円
岩手県 318.0万円 秋田県 271.3万円
山形県 282.9万円 宮城県 361.8万円
茨城県 250.4万円 福島県 316.6万円
栃木県 306.2万円 群馬県 296.6万円
埼玉県 424.6万円 千葉県 358.6万円
神奈川県 342.5万円 静岡県 291.2万円
愛知県 340.0万円 山梨県 320.7万円
新潟県 281.7万円 長野県 313.4万円
岐阜県 331.3万円 石川県 254.2万円
福井県 398.5万円 富山県 290.6万円
滋賀県 388.0万円 京都府 340.7万円
奈良県 407.3万円 三重県 240.7万円
和歌山県 328.6万円 大阪府 317.4万円
兵庫県 270.0万円 広島県 293.0万円
岡山県 277.1万円 鳥取県 300.0万円
島根県 264.7万円 山口県 245.1万円
高知県 222.7万円 香川県 274.5万円
徳島県 299.1万円 愛媛県 265.2万円
福岡県 305.2万円 佐賀県 333.4万円
長崎県 255.8万円 熊本県 254.7万円
宮崎県 219.6万円 大分県 308.0万円
鹿児島県 287.5万円 沖縄県 299.1万円

 

もっとも高いところで埼玉県の424.6万円、低いところで青森県の201.9万円と大きな差があることが分かります。

 

とはいえ都心部だからといって必ずしも年収が高いわけではなく、母数が多い分給料の低いサロンも含まれており、平均的な年収となっている地域も多く見られます。

 

この中でもどんな施術をしているのか、どんな層をターゲットにしているのかによっても年収が大きく異なるでしょう。

 

 

 

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エステティシャンの福利厚生や手当は?

 

エステティシャンとして働く際は、福利厚生や手当面が充実しているかも大きなポイントとなります。

 

まず、健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の4種類が揃っているかどうかを確認しましょう。

 

規模の小さなサロンの場合は上記4つが揃っていない場合も十分に考えられます。

 

また、自宅からサロンまで距離がある場合、交通費が支給されるかどうかも重要なチェックポイントです。

 

月の上限が決められている場合もあれば、全額支給されるケースもあるなど、サロンによって金額に差があるでしょう。

 

中にはサロンの近くに住居を構えるための引っ越し支援や住宅手当が出るサロンもあります。

 

その他あると嬉しい手当としては、販売している商品の社内割引制度資格取得支援制度などがあります。

 

実際に商品を使って良い点をPRしたり、業務に必要な知識・技術を資格として取得したりと、エステティシャンとしての成長に直結する内容といえるでしょう。

 

 

 

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エステティシャンがより年収を上げるための方法とは?

 

エステティシャンが今よりさらに年収を上げるためには、これからご紹介する3つのポイントを抑え、日々の業務に対し工夫して取り組むことが大切です。

 

資格を取得し、より知識やスキルを獲得する

エステティシャンになるためには、必ずしも資格やスキルがなければならないわけではありません。

 

未経験からベテランのエステティシャンになる方もたくさんいますが、その中で専門知識を備えて資格を取得すると、よりハイクオリティな施術ができるようになるでしょう。

 

お客様の満足度が上がり、サロンに貢献していると見なされれば、基本給や歩合給がアップする可能性も高まります。

 

 

独立開業する

正社員やパートタイマー・アルバイトとしてサロンに勤めるのではなく、自らのエステサロンを独立開業するという方法もあります。

 

十分に知識やスキルを獲得し、自分のやりたい方向性が決まっている場合は、思い切って独立の道を検討してみてはいかがでしょうか。

 

サロンに勤める場合とどの程度年収に差が出るのかについては、この後の見出しで詳しくご紹介しています。

 

 

待遇の良いエステティックサロンに転職活動をする

現在の年収に満足できない方や、業務時間に年収が見合っていないと感じる方は、より待遇の良いサロンへの転職を検討することもおすすめです。

 

エステサロンは経営者によって待遇や社風に大きな差があるため、合っていないと感じながら業務を続けるよりも、自分に合うサロンを探す方が良い場合もあります。

 

最寄りのエステサロンを探すことと同時に、引っ越しを伴う転職をすることも視野に入れながら、よりやりがいを感じられるサロンを見つけてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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独立すれば、雇われエステティシャンより稼げるの?

 

独立開業すると、雇われていたときよりも稼げるのではないかと考える方も少なくありません。

 

確かに独立開業した場合、サロンで得た利益を自分のものにできるといったメリットがあるため、雇われよりも稼げるように感じるでしょう。

 

経費を除く利益を全部自分のものにすることで、さらなる機材を導入したり、新たなコースを展開したりとさまざまな挑戦にもつながります。

 

とはいえ、これまでに自身が担当してこなかった集客面、そして家賃や光熱費・広告費といった固定費の支払いなど、さまざまなリスクがある点も無視できません。

 

さらには自身が体調を崩すなどのトラブルがあった際、それだけでサロンが運営できなくなり、長期的に収入がゼロになる可能性もあるでしょう。

 

こうしたメリット・デメリットを踏まえると、独立したからといって必ずしも雇われよりも稼げるとはいえません。

 

エステティシャンとしてのスキルや実力に加え、マーケティングや集客にも興味があり、多方面で実力を伸ばせる方が向いているでしょう。

 

 

 

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オーナーエステティシャンが年収1000万円を実現させるためのポイント

 

これまでにご紹介した独立のリスクを乗り越え、さらには年収1,000万円を実現させるためにはどうしたら良いのでしょうか。

 

年収1,000万円を夢で終わらせず、しっかりと自分のものにするために、これからご紹介する5つのポイントをおさえておきましょう。

 

サロン経営のノウハウを身につける

エステティシャンとサロンオーナーを兼任するということは、すなわち経営のノウハウを身につけなければならないということです。

 

年収1,000万円をクリアするならば、単純に12ヶ月で割って約83万円ほどの月収が必要です。

 

ここに経費や税金が上乗せされるとすると、月に150~200万円ほどの売上が目標ラインとなるでしょう。

 

この目標を達成するためには、お客様一人ひとりの単価を上げたりSNSマーケティングに関するスキルを身に着けたりといった工夫が重要となります。

 

エステティシャンとしての技術に加えて経営力を向上させなければならず、最初のうちは勉強に勉強を重ねる毎日となるでしょう。

 

 

集客方法を確立する

新規顧客をゲットしたいからといって、ありとあらゆる方法を使って集客をすることはおすすめできません。

 

まずは自分のサロンに合う集客方法を確立し、その中で多くの人の目に留まるスキルを磨いていきましょう。

 

個人サロンに多く見られる集客方法としては、SNSを用いたり、地方のフリーペーパーに掲載してもらったりするケースが挙げられます。

 

特にSNSはハッシュタグを用いて年齢層や性別をある程度限定できるため、サロンの雰囲気に合った顧客を獲得しやすいでしょう。

 

フリーペーパーには限定のクーポンを付けるなど、初めての方が来店しやすい工夫をすることもおすすめです。

 

 

経費の節約や節税を徹底する

年収を上げるためには、単に収入を上げるだけでなく、支出を抑えることも重要です。

 

特に税金や経費など見直せる点は積極的にチェックし、可能な限り節約をすると良いでしょう。

 

年収が増えると税金の額も大幅にアップするため、経費をしっかりと計上したり、個人事業主として青色申告をしたりといった初歩的な部分を見直すところから始めましょう。

 

 

業務の効率化ができるツールを導入する

少人数のスタッフのみでサロンを運営する場合、業務の効率化は人件費を抑えるための重要なポイントとなります。

 

特にエステサロンにおいては厳密な顧客管理が求められるため、「Bionly」などの電子カルテサービスを取り入れ、登録作業や確認作業を短縮してみてはいかがでしょうか。

 

紙に書く場合に比べて施術履歴が分かりやすく、複数のスタッフ間での共有もしやすくなります。

 

また、予約管理ができる「ホットペッパービューティー」や「STORES予約」「RESERVA」といったツールを取り入れることもおすすめです。

 

これらは利用者側から見ても使いやすく、気軽に予約が取れるサロンとして人気が高まるでしょう。

 

 

施術以外の業務を取り入れる

エステサロンのオーナーとして成功するためには、施術以外の業務にも積極的に挑戦することをおすすめします。

 

例えば、実際に施術で使っているスキンケアアイテムの在庫を揃え、お客様がホームケアとして使えるようにすることも良いでしょう。

 

化粧品をはじめとするホームケア商品はもちろん、スペシャルケアとして活躍する美容グッズや、サプリメントなどのインナーケア商品も人気を集めやすいといえます。

 

また、お客様の悩みを聞き、最適な施術を提案することもオーナーの重要な業務の一つです。

 

エステサロンにおけるカウンセリングはまさに「命」ともいえる重要な業務のため、自身の店舗をPRするためにも、知識と経験を兼ね備えたオーナーが行うと良いでしょう。

 

 

 

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自分に合ったエステティシャン求人を探す方法

 

最後に、エステティシャンとしての転職を検討している方に向け、自分に合った求人を探す方法をご紹介します。

 

就職・転職エージェント

就職・転職エージェントに依頼することで、サイトには出回っていない求人に出会える確率がアップします。

 

プロのエージェントが利用者の経歴や性格に合った求人をアテンドしてくれるため、自分で求人を探す手間が省け、時間を有効に使えるでしょう。

 

 

求人サイト

自力で求人サイトをチェックし、自分に合ったものをピックアップして検討する方法もあります。

 

「エステ求人ナビ」や「BeAle」などエステティシャンの求人に特化したサイトも登場しているため、より希望の内容を絞り込みやすいでしょう。

 

 

 

まとめ

エステティシャンの年収は、雇用形態や住んでいる地域・サロンの社風によって大きく異なります。

 

より年収をアップさせるためにも、資格の取得や転職に加え、独立の道を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

 

自分のサロンならではの魅力ややりがいもたくさんあるため、エステティシャンとしての成長にもつながるはずです。

 

 

 

▶▶関連記事:美容業界の転職で後悔しないため|未経験OKの職種や転職成功の秘訣

 

 

 

この記事を書いた人

高本聖子先生‗日本スキンケア協会認定講師 width=

高本 聖子 先生

*日本スキンケア協会 認定講師
*プライベートサロンBPPT桜梅桃季 オーナー
*ビューティースクールBPPT桜梅桃季アカデミー 学院長
*リアルビューティーアカデミー 学院長
*JSSE 認定エステティシャン
*日本エステティック協会 認定エステティシャン

大手エステサロン2社に勤務し、店長マネージャー、トレーナーとして社員教育や顧客向けのイベント講師などを務める。 メンズエステ指導、トレーナー育成やシンガポールの大手チェーン店への技術指導研修などの経験も持つ。
現在は35年間の美容経験と教育指導30年キャリアを活かし、自サロンの運営、サロンのコンサルティング、独立開業の支援などを中心に現場に沿った指導を行う。日本のみならず中国のエステサロンでも教育を行う。これまでに教育した人数は5,000名以上。

 

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