注目の美容成分 抗炎症作用と紫外線吸収作用のある「カミツレエキス」
カテゴリー:大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識
2023年6月14日
カミツレエキスは、
キク科植物ジャーマンカモミール(Malricaria chamomilla Linne.)の花の30w/v%エタノール水溶液による抽出物です。
ジャーマンカモミール(German chamomile)は、
ヨーロッパを原産とし、紀元前1世紀頃には
ハーブ療法として評価を得ていたことから
中世には消化器系の不調や膨満感の緩和や睡眠を促す効果、
乳児から大人まで幅広い年齢層で不安感、筋肉の痙攣、
皮膚のトラブル、消化器系の不調を緩和・改善する
ハーブとして用いられており、
現在においてもヨーロッパの代表的なメディカルハーブとして広く認知されています。
日本薬局方にも収載されています。
花はリンゴ様のフルーティーでふくよかな芳香をもち、
その香りが鎮静・リラックス効果をもたらすことから
現在では世界各国でハーブティーとして愛飲されています。
セスキテルペンで紫外線吸収のあるカマズレン (図1)や
α-ビサボロール (図2) を含有し、
フラボンのアピゲニン、ルテオリンの他、アミノ酸、タンニン等を含有します。
カミツレ(CAMOMILLE)MATRICA CAMOMILLA (キク科)は
カモミラ、カモミール、カモマイルなどの
別名でも知られるヨーロッパ原産の越年草で、
ヨーロッパ、北アフリカ、アジアに広く自生していますが、
商用栽培としては東ヨーロッパ
(とくにスロバキア、チェコ、ハンガリー)を中心に
アルゼンチン、エジプトなどで栽培されています。
花期は7~8 月頃で中心が黄色で花弁が白い花をつけ、
ミカンとリンゴを同時に潰したような
甘酸っぱい芳香が一帯をつつみ、名前の由来もこの匂いからきています。
ヨーロッパでは、ローマ時代の戦士が傷を癒すため
カミツレを入れた「カミツレ浴」を利用したことや、
風邪をひくと暖かいカミツレ湯を飲んで
発汗作用と解熱作用で発熱を癒すといった歴史が
古くから報告されており、現代ヨーロッパでも最も多用される薬用植物のひとつとなっています。
また日常生活においても、
カミツレの花を紅茶式のティーパックに入れて紅茶と混ぜて楽しむ人が多いという。
カミツレは、カマアズレン、マトリシンやビサボロール等の
消炎作用を有する成分が含まれており、
ハーブティーなどの他に浴剤としてリューマチ、冷え性にも応用されています。
また、外用による皮膚の抗炎症効果の他に
皮膚を穏やかに保つ作用があり、美容上優れた効果があると言われています。
カミツレエキスに紫外線吸収能を持つ植物抽出物は
古くから知られているが、
化粧品に配合する場合には保湿剤として配合されるのが一般的です。
化粧品に配合される場合は、
抗肌荒れ作用、UVB吸収による紫外線防御作用の目的で、
スキンケア化粧品、メイクアップ化粧品、化粧下地、
日焼け止め、ボディ&ハンドケア、シート&マスク、洗顔料、
洗顔石鹸、クレンジング、シャンプー、コンディショナー、
ボディソープ、ボディ石鹸、アウトバストリートメント、
デオドラント、入浴剤など様々な製品に汎用されています。
記事
前田 憲寿 先生
医学博士
東京工科大学 応用生物学部 応用生物学科
一般社団法人日本スキンケア協会 顧問
特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長
九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。
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