2025年6月13日2025年7月9日お肌のセルフエステ,お肌のトラブルケア
よくある肌トラブルと原因・対策!美肌へのスキンケアステップ
「最近、肌の調子が悪い…」「乾燥がひどくてカサつく」「ニキビが治らない」など、肌の悩みは尽きないものです。
肌トラブルは、日々の生活習慣やスキンケア、外的要因など、さまざまな原因が複雑に絡み合って発生します。
本コラムでは、よくある肌トラブルの種類とその原因を詳しく解説し、さらに日々のスキンケアでできる具体的な改善ステップや、肌荒れが起きてしまった時の対処法までご紹介します。
健康で美しい肌を目指すために、ぜひ参考にしてください。
よくある肌トラブルと原因
肌トラブルは多岐にわたりますが、ここでは特に多くの人が悩む代表的な症状とその原因を見ていきましょう。
カサつき
肌の「カサつき」とは、肌が潤いを失い、ツヤがなくカサカサとした状態を指します。
洗顔後に肌が突っ張る感じがしたり、乾燥が進むと白い粉をふくこともあります。
主な原因は、肌の表面にある角質層のバリア機能が正常に働かなくなることです。
バリア機能が低下すると、肌内部の水分が逃げ出しやすくなり、外部からの刺激に対して無防備になります。
このバリア機能の低下は、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)の乱れ、空気の乾燥、紫外線によるダメージなどの外部環境要因や、栄養不足、ストレス、睡眠不足といった内部要因によって引き起こされます。
年齢を重ねるにつれて水分保持能力も低下するため、肌は乾燥しやすくなります。
にきび・吹き出物
「にきび」や「吹き出物」は、皮脂が過剰に分泌され、毛穴が詰まることから始まります。
この初期段階は「面皰(めんぽう)」と呼ばれ、いわゆる「白ニキビ」のことです。
その後、毛穴の内部でアクネ菌が増殖して炎症を起こし、「赤ニキビ」や膿がたまった「黄ニキビ」へと進行します。
炎症が強いと、ケロイド状の跡や凹んだ跡が残ることもあります。
主な原因は、皮脂の過剰分泌と毛穴の詰まりです。
これには、男性ホルモンの作用、ストレス、睡眠不足、生活習慣の乱れ、食生活(脂質や糖質の摂りすぎ、ビタミン不足)、ホルモンバランスの乱れ(特に生理前は黄体ホルモンの増加により皮脂分泌が促進されやすい)などが関係しています。
思春期に多く見られますが、大人になってからも起こり、「思春期後ざ瘡」と呼ばれます。
▶関連記事:吹き出物やニキビはなぜできる?効果的な改善法や予防法を紹介
しみ
「しみ」は、肌の色が部分的に濃くなる肌トラブルです。
一番の要因は紫外線です。
しみの元となる「メラニン」は、肌の表皮の最下層にあるメラノサイトという色素細胞で作られます。
メラニンは本来、紫外線を吸収して体内への害を食い止める働きがありますが、紫外線を浴びすぎたり、肌のターンオーバーが乱れたりすると、生成と排出のバランスが崩れてメラニンが肌に蓄積され、しみやそばかすの原因となります。
また、女性ホルモンの影響も大きな要因と考えられており、妊娠中や出産後、更年期など、ホルモンバランスが急激に変わると一時的にメラニンの生成が高まることがあります。
摩擦によって、肝斑の誘発や悪化につながる可能性があります。
しみの主な種類は以下の4つです。
・老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)
中年以降に多く見られ、紫外線の影響でできる境界が比較的明瞭な褐色の色素斑です。
・肝斑(かんぱん)
頬を中心に左右対称にできるのが特徴で、30〜40歳代や更年期の女性に発症し、女性ホルモンの影響が原因とされます。
・炎症後色素沈着(えんしょうごしきそちんちゃく)
ニキビや外傷、火傷、虫刺されなどによる炎症が刺激となり、メラニンが過剰に生成されることで起こります。
・そばかす(雀卵斑)
若年性に見られる小さな斑点で、鼻や左右の頬を中心に広がり、遺伝的な要因で発生すると考えられています。
▶関連記事:シミはなぜできる?主な種類と症状の違い、効果的な予防法も解説
しわ
「しわ」は、肌表面にできる線や溝のことです。
しわは大きく分けて、その深さによって「表皮のシワ」と「真皮のシワ」に分類されます。
乾燥小ジワ(表皮性のシワ)
肌の乾燥が原因で生じるシワです。
角質層の保水能力が低下し、肌のキメが乱れることで、細かいちりめん状の小じわが現れます。
癖ジワ
表情筋が凝り固まることで生じるシワです。
特に目を大きく見開く癖があると、おでこにシワが寄りやすくなります。
PCやスマートフォンの見すぎによる目の酷使も、おでこの癖ジワの原因となることがあります。
深いシワ(真皮性のシワ)
加齢とともに肌のハリを保つ成分であるコラーゲンやエラスチンが減少することや、紫外線の影響が原因で生じます。
肌のハリが失われ、垂れ下がっていくことで目尻や額などにできやすい深いシワとなります。
▶関連記事:おでこに現れるしわの原因は何?効果的な対策方法も紹介
クマ
クマは、目の下にできる暗い影や色の沈着を指します。
目元に現れる「クマ」は、茶クマ・黒クマ・青クマに分けられ、原因や特徴が異なります。
茶クマ
その名の通り、目元が茶色くくすんだ状態になるクマです。
肌への摩擦やメイク残りなどによる色素沈着や、紫外線を浴びた際に生成されるメラニン色素の沈着によっておこります。
青クマ
血行不良によって血管が透けて青黒く見える状態のクマです。
体調の変化によって発生しやすいのが特徴で、睡眠不足、ストレス、疲労などが原因で現れるクマは、この青クマを指します。
黒クマ
目元の皮膚の段差などによって影が生じ、黒く見える状態のクマです。
加齢によって皮膚のたるみや筋肉が衰えてくると現れやすくなります。
日常的なマッサージやエクササイズ、スキンケアによって改善できる場合もあります。
▶関連記事:目元のくすみ・クマはなぜ現れる?主な原因とおすすめの対策方法を紹介
たるみ・むくみ
「たるみ」は、肌のハリや弾力が失われ、皮膚と筋肉との結合が緩むことで起こります。
肌の水分が不足することが原因の一つです。
「むくみ」は、体内に余分な水分が溜まる状態を指します。
寝る前に水分を摂りすぎたり、塩分の多い食事を摂ったりすると、翌朝、顔や目がむくむことがあります。
▶関連記事:ほほのたるみはなぜ現れる?予防のための正しいケアや治療法も解説
湿疹・かゆみ
「湿疹」とは、盛り上がりのあるブツブツがたくさんできる状態を指します。
多くは外的刺激に反応して起きる「接触皮膚炎」(かぶれ)によるものですが、原因が分からないものもあります。
かゆみや痛みを伴うことがあります。
「かゆみ」は、肌の乾燥によってバリア機能が低下し、少しの刺激にも過敏に反応してしまうことで生じやすくなります。
皮膚掻痒症のように何もできていないのにかゆみを感じる場合や、乾皮症のように皮膚が乾燥し、粉をふいたりひび割れたりしてかゆみが悪化することもあります。
アトピー性皮膚炎のように、先天的な過敏体質に様々な刺激が加わることで激しいかゆみを伴う慢性的な皮膚疾患もあります。
顔の赤み・日焼け
「顔の赤み」は、空気の乾燥や布による摩擦、アレルゲン、日光などの外的刺激によって皮膚の中で炎症が起きている状態です。
刺激に反応して皮下の毛細血管が拡張するため、皮膚の薄い人では拡張した血管が透けて赤みが残ったり、赤い色ムラができたりします。
肌のバリア機能が低下した敏感肌の状態でも、赤みや炎症が起こりやすくなります。
「日焼け」は、医学的には「日光皮膚炎」と呼ばれ、強い日光を浴びた直後の肌は、強烈な紫外線に対してメラニンの量を十分に準備できないため、火傷のような状態となり、皮膚が赤く腫れ、火照ってピリピリとした痛みを感じます。
その後、炎症が治まると増産されたメラニンによって皮膚の色が濃くなります。
肌あれしやすい場所はどこ?
肌荒れは顔の様々な場所に発生しますが、特に以下の部位で起こりやすいとされています。
Tゾーン(おでこ、鼻、あご)
皮脂の分泌が多いTゾーンは、ニキビや吹き出物、毛穴の詰まりや開きが起こりやすい場所です。
しかし、おでこは皮脂の分泌量が多いにもかかわらず、髪の毛の接触や整髪料の付着、アップスタイルによる直接的な紫外線の影響など、外部刺激を受けやすいため乾燥することもあります。
口周り
乾燥や摩擦による刺激を受けやすい部位です。
頬や目の周り
皮脂の分泌が少ないため、乾燥しやすい部位です。
マスクの縁
マスクの常時的な摩擦により、肌への刺激が過度となり炎症を引き起こす可能性があります。
特に肝斑の誘発や悪化の可能性が指摘されています。
毎日のスキンケアでできる肌荒れ改善ステップ
肌トラブルを改善し、健やかな肌を育むためには、毎日の適切なスキンケアが不可欠です。
正しいクレンジングと洗顔
クレンジングや洗顔は肌を清潔に保つために重要ですが、強い力で擦らないことが最も重要です。
また、洗顔料はよく泡立てましょう。
たっぷりの泡で肌を包み込み、泡に汚れを吸着させるように優しく洗い流しましょう。
ぬるま湯が適切です。
熱すぎるお湯は必要な皮脂まで洗い流してしまうため、35度前後のぬるま湯で洗顔することを心がけてください。
最後は優しく拭き取りましょう。
タオルでゴシゴシと擦るのではなく、水滴を吸着させるように優しく押し当てることを意識しましょう。
▶関連記事:洗顔のベストタイミングはいつ?理想的な洗顔方法や注意すべきポイントも解説
保湿ケアのコツとおすすめ成分
洗顔後の肌は皮脂が洗い流され、乾燥しやすい状態になっています。
そのため、速やかな保湿ケアが必須です。
まず化粧水でしっかりと水分を補い、その後、乳液やクリームで水分が外に逃げないようにバリアを作りましょう。
美容液を取り入れる場合は、化粧水と乳液の間に使用します。
セラミドやヒアルロン酸、ワセリンなど、保湿成分が含まれたスキンケアアイテムを選ぶことが推奨されます。
肌の保水能力は夏も冬もさほど変わらないため、季節を問わず保湿ケアは一年中必須です。
敏感肌向けUVケア
紫外線は肌老化の大きな原因である「光老化」を引き起こし、シミやしわ、肌の乾燥を促進します。
外出時には日焼け止めクリームを塗ってUV対策を行いましょう。
また、日焼け止めと合わせて、帽子や日傘を使用することも習慣づけると効果的です。
紫外線の量は季節や天候によって変わり、曇りの日でも快晴の日の50〜60%程度の紫外線量に達するため注意が必要です。
特に夏以外でも4〜5月や9〜10月も紫外線は強いため、油断は禁物です。
▶関連記事:冬にこそ注意すべき紫外線対策!日焼け止めの選び方や正しい使い方とは?
週1回のスペシャルケア(マスク・ピーリング)
通常のケアに加えて、肌の状態に合わせたスペシャルケアを取り入れることで、肌トラブルの改善をサポートできます。
特に乾燥がひどく肌荒れが気になる場合には、就寝前にパックをするのもおすすめです。
ニキビの治療として、毛穴の詰まりを改善するためにケミカルピーリングが行われることがあります。
肌あれしてしまったときの対処法
すでに肌荒れが起きてしまった場合は、肌のターンオーバーを整え、バリア機能を正常化させることが何よりも大切です。
栄養バランスのとれた食事を摂る
肌の健康を保つためには、身体の内側から調子を整えることが大切です。
タンパク質、ビタミン、ミネラル類など、肌が必要とする栄養素が不足しないよう心がけましょう。
糖質や脂質の摂りすぎ、カフェイン、香辛料などの摂取は、皮脂のバランスを乱し、ニキビや肌荒れの原因になりやすいので注意が必要です。
乱れた食生活による胃腸への負担は肌の不調として現れるため、食物繊維や発酵食品を積極的に取り入れて腸内環境を整えることも大切です。
便秘も肌の大敵とされています。
▶関連記事:肌荒れは食生活の乱れが原因かも?美肌に効果的な栄養素や食材も解説
洗顔時に肌をこすらないようにする
肌荒れ時には特に肌が敏感になっているため、洗顔は極めて慎重に行う必要があります。
前述の「正しい洗顔」を徹底し、肌への物理的な刺激を最小限に抑えましょう。
洗顔後にしっかりと保湿ケアする
洗顔後の肌は非常にデリケートな状態であり、水分が抜け出しやすくなっています。
皮むけなどの症状がある場合は、皮膚からの水分の蒸発をできるだけ抑えるために、普段よりも入念に保湿クリームを塗っておきましょう。
室内の環境によっては水分が失われやすいため、特に乾燥する冬場は加湿器を活用し、湿度が下がりすぎないようにすることも有効です。
スキンケア化粧品を見直す
肌荒れを起こしているときは、さまざまな刺激に対して肌が敏感になっています。
普段使用している化粧品の成分を確認し、肌にとって余分な刺激になっているものがないか見直しましょう。
香料や着色料などの添加物が刺激になることもあるため、低刺激性のスキンケア化粧品を選ぶことが推奨されます。
特に敏感肌の方は、新しい化粧品を使用する前にパッチテストを行い、肌に合わない場合は使用を控えるようにしましょう。
しっかりと睡眠を取る
肌荒れを改善し、正常な肌のバリア機能を維持するためには、質の良い十分な睡眠が不可欠です。
夜間、22時~深夜2時までの眠りのゴールデンタイムには、大量の成長ホルモンが分泌され、肌のターンオーバーが活発になります。
昼間にダメージを受けた細胞も、夜眠っている間に修復が進み、新しい細胞に入れ替わっていくため、夜更かしは避けて早めに休むようにしましょう。
寝不足が続くと、ターンオーバーが停滞し、肌の修復が遅れてしまうことがあります。
皮膚科専門医に相談する
上記のようなセルフケアや生活習慣の見直しを行っても、肌荒れがおさまらない場合や、皮膚トラブルによる炎症が悪化した場合は、自己判断せずに皮膚科専門医に相談することが重要です。
専門家でないと判断が難しいケースも多く、適切な診断と治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、早期改善につながります。
例えば、深いシワの改善にはボトックス注射などの医療機関での治療が有効な場合があります。
まとめ
肌トラブルは、紫外線や乾燥、摩擦といった外的要因と、食生活の乱れ、睡眠不足、ストレス、ホルモンバランスの変化といった内的要因、さらにはマスク生活による肌への刺激など、複数の原因によって引き起こされます。
肌のバリア機能が低下すると、乾燥やニキビ、シミなどのトラブルが悪化する可能性が高まります。
肌トラブルを予防し、美肌を保つためには、日頃から正しい洗顔と保湿ケアを心がけ、紫外線対策を徹底し、肌のバリア機能を高めることが重要です。
また、栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスの解消など、生活習慣全体を見直すことも肌の健康に直結します。
もしセルフケアで改善が見られない場合は、迷わず皮膚科専門医に相談し、適切なアドバイスや治療を受けることで、肌トラブルを乗り越え、健やかな肌を育んでいきましょう。