『心地よい感触を与える「シルク」』

カテゴリー:大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

2020年5月27日


『心地よい感触を与える「シルク」』

 

今回は、美容成分・『心地よい感触を与える「シルク」』についてお伝えしていきます。

 

 

シルクは、カイコガ (Bombyx mori )の繭から得られる繊維で、

化粧品原料にはシルク(Silk Powder, Silk)、シルクエキス(Silk Extract)、

 

 

加水分解シルク(Hydrolyzed Silk)、

ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解シルク(Hydroxypropyltrimonium Hydrolyzed Silk)、

カイコまゆエキス(Silkworm Cocoon Extract)などがあります。

 

 

加水分解シルクは絹フィブロイン蛋白質を酸、アルカリ又は酵素によって

部分的に加水分解することにより得られる絹のポリペプチドです。

 

 

 

 

そのポリペプチドを第4級化して得られるのが

ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解シルクです。

 

 

カチオン化剤としては. シャンプーの使用性向上剤として知られる

カチオン化セルロース、カチオン化デキストラン等の合成にも

 

 

使用されているカチオン化剤である

3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが用いられています。

 

 

カチオン化により、シルクペプチドよりも毛髪に対する親和性が良く、

しなやかさ、なめらかさ等のコンディショニング効果が期待できます。

 

 

カイコまゆエキスは、カイコの繭から得られるエキスです。

以下に代表的な商品と特徴を挙げます。

 

 

1. シルク10WS1N (山川貿易株式会社)

 

1200年の歴史を持つ京都丹後地方の絹織物、丹後ちりめんの残糸から得られるフィブロイン100%のシルク末を香粧品向けに独自技術により開発したナノスケールの絹由来の低分子オリゴペプチド(フィブロイン)水溶液です。

 

 

 

 

テクスチャーを格段に上げ、シルク布を纏ったような心地よい感触を製剤へもたらします。

 

 

2. シルクゲンGパウダー (一丸ファルコス株式会社)

 

絹を加水分解して得られた乳白色状の粉末です。

皮膚に対する展着性が高く、優雅な絹光沢を持ちます。

 

 

3. Promois® SILK-1000P (株式会社成和化成)

 

絹糸由来のタンパク質を加水分解して得られた平均分子量1000のシルクペプチドです。

シルクペプチドのアミノ酸組成はグリシン、アラニン、セリンで約90%を占めます。

側鎖の小さいアミノ酸を多く含むため、滑らかな皮膜を形成し、さらさらとした感触が得られます。

 

記事


前田 憲寿 先生

医学博士

東京工科大学 教授

日本スキンケア協会 顧問

 

 

 

 

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