2018年8月28日2018年8月28日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

美容&スキンケア情報「注目の美容成分 『皮膚の老化を防ぐエイジングケア素材「ポリアミン」②』」

注目の美容成分 『皮膚の老化を防ぐエイジングケア素材「ポリアミン」②』

今日は、前回のエイジングケア素材「ポリミアン」について続きの内容を記載いたします。

 

ポリアミンには、マウスの寿命を延長し毛なみを良くする他に、爪を丈夫にする働きもあります。

爪は、爪甲(いわゆる爪の部分)からなる角化性の上皮組織で、爪母で増殖した爪母細胞が増殖して角化することにより爪甲が形成されます。

爪甲は皮膚に比べて水分蒸散量が多く、水分を維持しにくい性質があります。

これは爪の細胞間脂質(セラミドなど)が皮膚よりも少ないためです。

ポリアミンには細胞増殖を促進し、角化も促進するので健康で丈夫な爪を保つのに必要と考えられます。

 

 

 

 

また、ポリアミンは髪にとっても良い成分です。

髪は伸び続けているのではなく、成長期・退行期・休止期を周期的に繰り返して伸長しています。

 

 

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成長期には毛母細胞が活発に分裂して毛髪(毛幹)が形成されますが、一生で分裂する回数が決まっているので、加齢とともに薄毛になります。

Ramot Yらはポリアミン(スペルミジン)によって毛幹の伸長を促進することを報告しています。

特に、毛髪の成長期を延長させます。

 

肌の老化には微弱な慢性炎症という生体反応が関係しています。

もともと炎症は細菌やウイルスなどから体を守るために免疫細胞が一生懸命働いた結果起きたものです。

 

ところが、加齢とともに、体内で生まれる老廃物や変性した細胞などに免疫細胞が反応して、微弱な炎症が持続的に生じます。

 

この微弱な炎症がシミの原因となるのです。

ポリアミンには炎症を抑え込む働きがあります。

 

 

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また、ポリアミンには遺伝子の老化状態(異常メチル化)を改善する作用もあります。

歳をとると、ポリアミン不足になりがちで、皮膚においても微弱炎症が継続しやすくなり、遺伝子のメチル化を制御する機能が低下して遺伝子の老化(=異常メチル化)が生じます。

 

 

 

 

ポリアミンは、生理的老化や紫外線を浴びすぎることによる光老化で進行するこれらの状態を改善し、シミを抑制してくれます。

ポリアミンは微生物、植物、そして私たち哺乳類にも共通の物質です。

 

よって、食材にも含まれていますが、その量には大きな差があります。

摂取したポリアミンはそのまま体内に吸収されます。

ポリアミンは大豆などの豆類(特に発酵させた納豆や味噌)、キノコ、魚介類(特に内臓を含んだ小魚や貝類、白子)などに多く含まれます。

 

これらの食材を積極的に摂取して、美容に役立ててください。

 

 


記事

前田 憲寿 先生

医学博士

東京工科大学 応用生物学部 応用生物学科

一般社団法人日本スキンケア協会 顧問

特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長

九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。

 

 

 

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