2020年9月29日2024年3月11日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

肌と頭皮のための「(アスコルビル/トコフェリル)リン酸K」

 

[化粧品表示名称] (アスコルビル/トコフェリル)リン酸K

 

[医薬部外品の有効成分名称] dl-α-トコフェロール 2-L-アスコルビン酸 リン酸エステルカリウム塩

 

 

 

(アスコルビル/トコフェリル)リン酸Kとは?

 

(アスコルビル/トコフェリル)リン酸K (図1)は、千寿製薬が開発した原料で、商品名はEPC (SENJU) です。

 

ビタミンCは水溶液中では加水分解や酸化されやすく不安定ですが、ビタミンCとビタミンEをリン酸で結合し、安定化した原料です。

 

水や含水エタノールに溶解します。

 

 

 

 

 

リン酸Kがもたらす効果

in vitroの試験では、フリーラジカルを消去する作用 (t-BuOO・消去するIC50: 171 μmol/L)、紫外線照射による細胞生存率低下を抑制する作用 (100 μmol/L)、ニキビの原因となるニキビ菌P. acnesの発育を阻止する作用 (MIC: 0.3125 mg/mL)、吸湿作用 (1%)があります。

 

 

また、荒れ肌のターンオーバーを改善する機能 (0.2%)、フケを抑制する効果 (0.2%) もあります。

 

▶関連記事:ターンオーバーが乱れると肌にどのような影響があるのか

 

 

スキンケアに配合できる化粧品原料で、医薬部外品 (薬用化粧品) に添加剤として配合することもできます。

 

また、フケ抑制効果があり、医薬部外品の育毛化粧料の有効成分として配合できます。

 

 

(アスコルビル/トコフェリル)リン酸Kの成分図

 

 

この記事を書いた人

前田 憲寿 先生

前田 憲寿 先生

*医学博士

*東京工科大学 応用生物学部 教授

*日本スキンケア協会 顧問

*特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長

九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。

 

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