2021年11月4日2023年12月28日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

注目の美容成分 防腐効果のある「シソエキス」

今回は「シソエキス」についてです。

 

シソ科『シソ』の概要

しそ科シソ属のシソ(学名: Perilla frutescens (L.) Britton var. acuta Kudo,生薬名: ソヨウ(蘇葉)) は中国中南部の原産で、日本には古代に渡来し、現在は食用と薬用に各地で栽培される一年草です。

 

薬用部位は葉 (蘇葉、紫蘇葉) 及び種子 (紫蘇子) で、葉にはペリルアルデヒド (図1)、α-ピネン、l-リモネン、ペリラケトン、エルショルチアケトン、ジラピオール、ミリスチシン、pークマリン酸エステル、アデニン、アルギニン等が、

 

シソに含まれる成分ぺリルアルデヒドの構図

 

種子にはペリルアルデヒド、β-ピネン、dーリモネン、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノレイン酸等を含みます。

 

 

 

シソの効果

ペリルアルデヒドにはシソ特有の香気があります。

 

中医学では解表(身体の表面から邪気を出す)、理気(身体のエネルギーの循環を良くする)などの効果があるとされ、ストレス症状などの漢方薬に配合されています。

 

民間では解毒作用があるとして風邪などに利用されてきました。

 

紫蘇葉、紫蘇子ともに発汗、解熱、鎮咳、鎮痛薬として気管支炎、風邪などに用いられるほか、紫蘇葉及び紫蘇子には強い防腐作用があり、種子は魚肉中毒の解毒薬として刺し身等の生魚に添える習慣があります。

 

 

また、抗ヒスタミン作用があり、花粉症や気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状の緩和効果が期待されています。

 

 

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ペリルアルデヒドの骨髄小核試験、肝臓と十二指腸でのコメットアッセイを組み合わせた遺伝毒性試験において、肝臓で行ったコメットアッセイでは陽性を示し、試験した最大用量である700mg/kg体重/日(最大耐量(maximum tolerated dose:MTD)で統計的に有意なDNA鎖切断の増加が見られ、in vivoで遺伝毒性があると結論づけられ、ペリルアルデヒドを香料物質として使用することは安全性の懸念があるとされています。

 

 

 

この記事を書いた人

前田 憲寿 先生

前田 憲寿 先生

*医学博士

*東京工科大学 応用生物学部 教授

*日本スキンケア協会 顧問

*特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長

九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。

 

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