2018年7月28日2018年7月28日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

美容&スキンケア情報「【注目の美容成分】しみ・しわ・たるみにビタミンC 」

【注目の美容成分】しみ・しわ・たるみにビタミンC

ビタミンCには黒いメラニンを淡色化する働きがあるので、
ビタミンCは「しみ・そばかす」に効果が期待できます。
しかしながら、ビタミンCは不安定で壊れやすく、黄茶色に変色してしまうので、
化粧品に配合されているビタミンCは、安定にした誘導体が主に配合されています。

この安定型ビタミンCはビタミンCよりも効果としては低くなります。
また、イオン導入を使用する場合、ビタミンCは分解されてしまうことが多くあります。
「しみ・そばかす」を薄くする効果を期待する場合、化粧品だけで期待するよりも、
食品やサプリメントなどを併用する方がより効果的とされています。

ですから、「しみ・そばかす」を防ぐためには、ビタミンCを含む食品を毎日摂取することが大切になります。
厚生労働省の 「ビタミンCの食事摂取基準」によると、一日の推奨量は約100mg(イチゴ5~6個ぐらい)です。
一度に多量に摂取しても、ビタミンCが多量に吸収されるわけではありません。

一日数回に分けてビタミンCを多く含む食品を摂取するようにしましょう。
ビタミンCにはコラーゲンの生成を促進する作用もあります。
皮膚のハリや弾力性は加齢とともに減少していきますが、
このハリや弾力性に大きく関係しているのが真皮のほとんどを占めているコラーゲンです。
真皮のコラーゲンは60歳を過ぎると急に減少します。
コラーゲンにはヒドロキシプロリンという特殊なアミノ酸が含まれ、コラーゲンの熱安定性に寄与しています。
このヒドロキシプロリンは、プロリンというアミノ酸がポリペプチド鎖へ組み込まれた後に、
プロリルヒドロキシラーゼによる水酸化反応(翻訳後修飾)により生成し、その反応にはビタミンC が必要なのです。

また、コラーゲン線維同士の間に新しい化学的結合が入ることで、コラーゲン繊維は強度を増します。
コラーゲンにはリジンというアミノ酸が3~4%含まれていて、リジンのアミノ基がコラーゲン線維同士の架橋結合に関与しています。
この架橋結合は化学的にはアルドール縮合で、リジンの側鎖にあるアミノ基が
リジルオキシダーゼという酵素によって反応性の高いアルデヒド基に変わることにより生成します。

この架橋結合ができないと、コラーゲン線維の成熟が起こらず、丈夫な繊維が形成できないのです。
ビタミンCは、リジルオキシダーゼによるリジンを水酸化する酵素を助ける働きがあります。

このようにプロリン、リジンがきちんと水酸化されないと3本のコラーゲン線維が
重合した三重らせん構造が出来ないので、コラーゲンの合成にはビタミンCが必要不可欠なのです。
ビタミンCといえば、美白のイメージが強いですが、
実は、しわやたるみなどにも効果がある、アンエイジングビタミンなのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

記事


前田 憲寿 先生
医学博士
東京工科大学 教授
日本スキンケア協会 顧問

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