2018年8月7日2024年3月11日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

美容&スキンケア情報「注目の美容成分 『「乾燥から生体を守る」トレハロース 』」

トレハロースとは、キノコ類や酵母、地衣類、海藻類などに含まれ、グルコースが1,1-グリコシド結合してできた二糖の一種です。

 

細胞を保護する効果と高い保湿効果があり、各種化粧品に配合されています。

 

 

トレハロースによる効果

実は、トレハロースは「クマムシ」やシダ植物の一つである、イワヒバ(Selaginella tamariscina (Beauv.) Spring)に含まれています。

 

「クマムシ」は乾燥状態になると、体内のグルコースをトレハロースに変えて乾眠します。

 

この一見死んだように見える状態は、クリプトビオシス(cryptobiosis)と呼ばれています。

 

そして水分を得ると復活して、活動を開始するのです。

 

乾燥状態に耐えられるのも、細胞内にトレハロースを蓄えるからと考えられています。

 

 

砂漠や山岳地帯に生えている「イワヒバ」もトレハロースをつくります。

 

「イワヒバ」は乾燥してカラカラになっていても、雨が降ると青々と復活するため、「復活草」とも呼ばれています。

 

この作用もトレハロースによると考えられています。

 

 

また、干し椎茸は何カ月おいた後でも、お湯あるいは水に浸すと、元の状態にもどります。

 

これも実はトレハロースの働きなのです。

 

椎茸に含まれているトレハロースが多ければ多いほど、より元に近い状態になることが、実験で報告されています。

 

人間をはじめとする生き物は、水分がなくなると生き残れません。

 

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でも昔から、完全にひからびて死んだような状態でも、水をごく少量加えただけで生き返る生物の存在が知られていました。

 

この復活現象は長年の間、「不思議な現象」として原因が分かりませんでしたが、この「復活現象」には、細胞内にある糖が大きく関わっているということが分かりました。

 

その糖が「トレハロース」なのです。

 

トレハロースにはグリセリンと同程度の保湿効果・肌荒れ改善効果があり、ヒアルロン酸との組み合わせで相乗効果がみられます。

 

 

この記事を書いた人

前田 憲寿 先生

前田 憲寿 先生

*医学博士

*東京工科大学 応用生物学部 教授

*日本スキンケア協会 顧問

*特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長

九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。

 

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