2023年5月17日2023年5月17日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

肌にハリ感を与えるβ-グルカン

赤ちゃんの肌は、とても肌理(キメ)細やかで弾力があります。

赤ちゃんみたいに肌理細やかでピンと張った弾力のある肌は、もう取り戻せないのでしょうか?

 

肌理とは皮膚の表面の細かい模様、すなわち、

毛穴を中心に縦横・放射状に走るくぼみの部分の皮溝と、

それによって囲まれた盛り上がった部分の皮丘からできる皮紋です。

皮丘と皮溝や表皮基底層の形状によって作られています。

 

皮丘の部位では表皮突起が発達し、

真皮にはミクロフィブリルが多いオキシタラン線維が

基底膜から垂直に伸び乳頭層をから網状層に達しています。

皮溝の部位では、表皮突起はなく、真皮のオキシタラン線維が基底膜に対して水平に伸びているのが特徴です。

 

 

 

 

加齢による肌理の消失は、皮丘部位での

表皮突起の消失により、表皮基底層が平坦化することによって生じます。

この平坦化のメカニズムについては、

まだ明らかにされていませんが、肌理やハリの減少と、

皮丘部のオキシタラン線維やエラスチン線維の減少には

何らかの因果関係があると推察されます。

 

では、ハリのある肌を保つためには、どうすればよいのでしょうか。

 

老化に伴う皮膚のたるみやしわの原因は、

真皮のコラーゲンの減少に加え、

真皮浅層のオキシタラン線維やエラスチン線維などの

弾力線維の減少によるものと考えられています。

 

これらの線維は、

真皮に存在する線維芽細胞によって作られるので、

線維芽細胞の働きを活性化する有効成分を食品で補ってあげるのが効果的です。

 

外用では真皮にまで有効成分が浸透しにくいので、

化粧品には、ハリに有効な成分ではなくハリ感を与える

ポリマーが主に配合されています。

 

 

 

 

天然ポリマーの一つにβ-グルカンがあります。

 

グルカンとは、D-グルコースが

グリコシド結合で繋がったポリマーで、天然に最も多く存在する多糖です。

β-グルカンによって皮膚表面に被膜をつくり、

ハリ感のある肌を長時間維持することができます。

年代に関係なく、即効的なハリ感効果が塗布後30分以内に得られ、数時間後まで効果が持続することが確認されています。

 

ハリ感があるのでリフティング効果、抗シワ効果が期待できます。

 

 

 


記事

前田 憲寿 先生

医学博士

東京工科大学 応用生物学部 応用生物学科

一般社団法人日本スキンケア協会 顧問

特許庁 機能性皮膚化粧料調査委員会 委員長

九州大学大学院薬学研究科、東北大学大学院医学研究科を経て、資生堂ライフサイエンス研究センター皮膚科学研究所にて主任研究員を務める。2007年に東京工科大学バイオニクス学部教授、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。2008年より、同大学応用生物学部、バイオ・情報メディア研究科教授に就任。専門分野は、香粧品科学、皮膚科学、分子細胞生物学、生化学、薬理学など。テレビなどのメディア出演も多数。

 

 

 

 

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