2022年10月28日2023年10月24日お肌のトラブルケア

肌のかぶれはなぜ起こる?原因物質の一例や効果的な対策法も解説

肌のかぶれはなぜ起こるのか悩む女性

 

ある日突然、肌に赤みや炎症、かゆみが生じるようになったという経験はないでしょうか。

 

これらは、いわゆる”かぶれ”ともよばれ、さまざまなものに触れることで発症します。

 

本記事では、かぶれを引き起こす原因物質にはどのようなものがあるのか、かぶれの種類や発症しやすい部位、有効な対策法についても詳しく解説します。

 

かぶれとは

肌のかぶれに悩む人

 

かぶれとは、皮膚に特定の物質が接触することによって生じる肌トラブルのことを指します。

 

かぶれを引き起こす物質は人によって異なる場合があり、植物や動物、金属、化学物質などその種類は多岐にわたります。

 

一方、植物の”うるし”や銀杏の実など、多くの人に共通して現れるものも少なくありません。

 

さらに、体質によっては日光が肌に当たるだけでかぶれの症状が現れるケースもあるなど、一口にかぶれといってもその種類や原因はさまざまです。

 

 

 

かぶれはなぜ起こる?原因と仕組みについて

肌がかぶれ肌を搔きむしる人

 

一口にかぶれといっても、その原因はさまざまであると紹介しました。

 

かぶれが発症する仕組みやメカニズムを調べていくと、大きく4つの種類に分けられます。

 

それぞれの特徴や主な発症原因を紹介しましょう。

 

 

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アレルギー性接触皮膚炎

アレルギー性接触皮膚炎とはその名の通り、さまざまな物質にアレルギー反応を引き起こすことで発症するかぶれです。

 

金属や植物、化学物質など、さまざまなものが原因物質になり、人によって発症する場合とそうでない場合があります。

 

先天性の原因であることも多く、特定の抗体とよばれる物質をもっている人だけが発症します。

 

また、特定の物質に触れた直後は症状が出ず、数時間程度経過すると症状が現れるのもアレルギー性接触皮膚炎の特徴です。

 

 

刺激性接触皮膚炎

刺激性接触皮膚炎とは、主に化学物質が皮膚に刺激を与え、抵抗力が徐々に弱まっていくことで発症するかぶれです。

 

ゴム製品や洗剤、化粧品、金属など、一度触っただけでは異常が見られなくても、日常的に繰り返し使用していくことで発症するのが特徴といえます。

 

アレルギー性接触皮膚炎とは対照的に、原因物質に触れた直後から症状が現れる傾向にあります。

 

 

光接触性皮膚炎

光接触製皮膚炎とはその名の通り、日光が肌に照射されることで発症するかぶれです。

 

何らかの物質が肌に付着した状態で、紫外線を浴びることでかぶれが生じるケースが多いですが、薬を服用した後に紫外線の影響でアレルギー反応が起こるケースもあるようです。

 

 

「肌のバリア機能」の低下

肌の乾燥や虫刺されなど、何らかの肌トラブルが起こった際、肌の表面にある角質が剥がれ落ちることがあります。

 

本来、角質は肌を守る働きがあるのですが、角質がボロボロと落ちていくとバリア機能が低下してしまいます。

 

肌はわずかな刺激にも敏感になり、少しの外部刺激でかぶれが生じるケースもあります。

 

 

 

どんな症状が出る?

かぶれの症状は軽度なものから重症化するものまでさまざまです。

 

初期の段階では、赤みやかゆみ、発疹のようなものが現れることが多く、この時点で適切な処置をしておけば悪化を防ぐことができます。

 

しかし、不衛生な手で患部を触ったり、かゆみを我慢できず擦ったり掻いたりした場合、患部から雑菌が侵入し症状が悪化するケースもあります。

 

このような状態になると、肌の表面が膨れて膿がたまったり、水疱が現れたりして重症化します。

 

また、膿や水疱を無理に潰したり皮を剥いだりすると、真皮が露出しただれた状態になり、新たな感染症を引き起こす原因にもつながります

 

 

 

かぶれやすい物質

肌がかぶれやすい物質

 

かぶれを引き起こす物質はさまざまなものがあると紹介しましたが、具体的にどのようなものが挙げられるのでしょうか。

 

私たちの身近にあるモノのなかで、原因物質になりやすいものを種類ごとに紹介します。

 

植物

うるし、イチョウ(銀杏)、イラクサ、センニンソウ、ハゼノキ、ヌルデなどが代表的です。

 

イチョウは果実である銀杏が原因物質となることが多いため、銀杏を拾ったり収穫したりする際には素手ではなく、必ず手袋を身につけましょう

 

 

野菜

山芋(長芋)、里芋、レタス、シソ、セロリなどが代表的です。

 

特に山芋や里芋などの粘り気のある芋類は、手で触れた際にかゆみを感じることが多いですが、体質によっては肌がかぶれてくる方も多いようです。

 

そのため、調理の際には必ず手袋をはめて直接触れないようにしましょう。

 

 

果物

パイナップル、マンゴー、桃などが代表的です。

 

パイナップルやマンゴーは口に入れたときにチクチク、イガイガとした感覚を覚えることもありますが、肌に触れることでかぶれを引き起こすケースもあります。

 

 

香辛料

ショウガ、コショウ、唐辛子などが代表的です。

 

もともと刺激の強い食物であることから、肌質が弱いとかぶれを引き起こす場合も珍しくありません。

 

できるだけ直接手に触れないよう、市販の調味料をうまく活用するなど工夫をしてみましょう。

 

 

日用品

ゴム手袋や下着、ボディソープ、シャンプー・コンディショナー、洗濯用洗剤、食器用洗剤など、身の回りのあらゆるものが原因物質となり得ます。

 

肌に合わない製品があった場合は即時使用を中止し、別の製品に替えるようにしましょう。

 

 

金属

一口に金属といってもさまざまな物質がありますが、ニッケルやマンガン、コバルト、クロムなどが特にかぶれを引き起こしやすいことで知られています。

 

これらは鉄製の製品に多く含まれており、キッチン用品や工具など、意外と触れる機会も多いです。

 

 

化粧品

ファンデーションやアイシャドウ、口紅など、肌に直接触れるアイテムはもちろんですが、毛染め剤やマニキュアといった製品は特に刺激が強く、肌に直接触れることでかぶれを引き起こしやすくなります。

 

 

医薬品

処方薬・市販薬を問わず、湿布や抗生物質、痛み止めなどの医薬品がかぶれの原因になることもあります。

 

 

 

かぶれやすい部位と原因物質の一例

かぶれやすい部位と原因物質

 

かぶれが発生するのは特定の部位とは限らず、体のあらゆる部位に現れます。

 

特に多く現れる部位と、主な原因として考えられるものを紹介しましょう。

 

頭部

シャンプーやコンディショナー、育毛剤、ワックス、毛染め剤などが頭皮に付着することで、かぶれの原因になることがあります。

 

 

唇・口まわり

野菜や果物といった食物をはじめ、口紅やリップクリーム、洗顔料などが付着した際にかぶれを引き起こすことがあります。

 

 

イヤリングやピアスといったアクセサリー類のほか、補聴器などに使用されている金属や化学物質が原因となり、かぶれを生じさせるケースもあります。

 

 

ネックレスなどの金属はもちろんのこと、日焼け止めクリームや保湿クリームなどを塗布した際に、肌質によってはかぶれが生じることがあります。

 

 

胴体

下着はもちろんのこと、洗濯用洗剤や柔軟剤などがかぶれの原因となることもあります。

 

 

外陰部・臀部

避妊具や塗り薬、おむつ、下着などが肌質に合っていない場合、かぶれを引き起こす場合があります。

 

 

腕も首と同様に、腕時計やブレスレットといったアクセサリー類に含まれる金属や、日焼け止めクリーム、保湿クリームなどが主な原因物質として挙げられます。

 

また、肌が露出した状態で屋外の作業を行った際、植物に触れてしまうとかぶれてくることもあります。

 

 

洗濯用洗剤や柔軟剤のほか、ケガの治療などに使用する塗り薬が原因でかぶれを引き起こすことがあります。

 

また、脚も腕と同様に肌を露出する機会が多く、植物に触れてしまうとかぶれてくることもあります。

 

 

手はあらゆるものに触れることから、すべてのものが原因となってかぶれを引き起こします

 

特に、ゴム手袋や洗剤など、手で触れる時間が多いものは注意が必要です。

 

 

靴下や靴に含まれる化学物質、洗濯用洗剤、柔軟剤、外用薬などがおもな原因物質として挙げられます。

 

 

脇の下

汗をかきやすい脇の下は、制汗剤や香水などを使用する機会が多いですが、これらに含まれる化学物質がかぶれの原因となることもあります。

 

 

 

かぶれた時の対処法

かぶれた手

 

肌のかぶれが現れた場合、具体的にどういった対処が求められるのでしょうか。

 

かぶれの初期段階では、肌のかゆみや違和感を覚えることが多く、つい手で触ったり掻いたりしがちです。

 

しかし、このような行為はさらに症状を悪化させる要因となるため、直接手で触れないことが大前提となります。

 

 

かゆみや赤み、発疹などを抑えるためには、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬を塗布します。

 

これらはドラッグストアで市販薬として販売されているため、症状に合わせて製品を選びましょう。

 

市販薬を使っても症状が改善しない場合や、悪化している場合には、皮膚科を受診し症状に合わせた薬剤を処方してもらいましょう。

 

▶関連記事:痒みを抑える「ヨモギエキス」

 

 

 

 

かぶれない様にするには

かぶれを未然に防ぐための唯一の方法は、原因物質に触れないことです。

 

ただし、見たことがない植物や食べたことのない食物、使ったことがない薬剤や洗剤、化粧品などは、どれが原因物質になるのか判断がつきません。

 

過去に肌のトラブルを引き起こした経験がある場合には、その原因物質を覚えておき、次からは触れないようにすることが唯一の予防策といえるでしょう。

 

 

 

赤ちゃんのよだれかぶれやおむつかぶれはなぜ起こる?

 

肌のかぶれは大人だけでなく、生まれて間もない赤ちゃんにも多く発生します。

 

赤ちゃんは大人と異なり、皮膚の膜が薄くバリア機能が低い状態となっています。

 

よだれや排泄物などが肌に付着すると、わずかな刺激が加わりかぶれを引き起こします。

 

特にお尻は、常時おむつをしているため通気性が悪くなりがちで、肌の表面で雑菌が繁殖しかぶれを引き起こす場合が多いのです。

 

 

 

よだれかぶれとアレルギーの見分け方

赤ちゃんの場合、よだれかぶれ以外にもアレルギー反応が現れることがあり、両者の症状は似ているため見分けが難しいものです。

 

そのなかでも重要なポイントとなるのが、症状が現れるタイミングです。

 

よだれかぶれは症状が徐々に現れてくる特徴があるのに対し、アレルギーは原因物質に触れたり食べたりした後、数十分以内に症状が現れてきます。

 

 

 

まとめ

肌のかぶれは、植物や化学物質、金属などが原因となって引き起こされる場合が多く、私たちの身の回りにはかぶれを引き起こす可能性があるモノが多く存在します。

 

初めて触れるものや初めて口にする食べ物などは、どれがかぶれを引き起こす原因物質になるのか判断が難しいため、未然に予防することは難しいのが現状です。

 

もし、一度でもかぶれを引き起こした原因物質がある場合、それには直接触れないようにし、症状が現れた場合には直接手で触れずに薬を塗布するなど、症状を最小限に抑える対策をしましょう。

 

 

この記事を書いた人

高本聖子先生‗日本スキンケア協会認定講師 width=

高本 聖子 先生

*日本スキンケア協会 認定講師
*プライベートサロンBPPT桜梅桃季 オーナー
*ビューティースクールBPPT桜梅桃季アカデミー 学院長
*リアルビューティーアカデミー 学院長
*JSSE 認定エステティシャン
*日本エステティック協会 認定エステティシャン

大手エステサロン2社に勤務し、店長マネージャー、トレーナーとして社員教育や顧客向けのイベント講師などを務める。 メンズエステ指導、トレーナー育成やシンガポールの大手チェーン店への技術指導研修などの経験も持つ。
現在は35年間の美容経験と教育指導30年キャリアを活かし、自サロンの運営、サロンのコンサルティング、独立開業の支援などを中心に現場に沿った指導を行う。日本のみならず中国のエステサロンでも教育を行う。これまでに教育した人数は5,000名以上。

 

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