2020年1月8日2020年1月8日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

美容&スキンケア情報「みずみずしいうるおいのある素肌 “ 肌の見え方”」

美容&スキンケア情報「みずみずしいうるおいのある素肌 “ 肌の見え方”」

光がどのように皮膚内で吸収、散乱されるかによって肌の見え方が変わってきます。

 

皮膚がどのように見えるのかの「肌の見え方」には、
皮膚に入射した光が皮膚内でどのように散乱し、
出射されるのかの「表面下散乱(Subsurface Scattering)」
が重要な役割を果たしています。
入射した光の6% が皮膚表面の皮脂で反射し、
残りの94% が皮膚の影響を受けます。
皮脂を透過した光はほとんどが表面下散乱の影響を受け、
残りが吸収されます。皮膚内で散乱を何回も
繰り返した光( 多重散乱光) は、再び表面まで戻り、
最終的には散乱光として観察者に認識されます( 図1)。
散乱の回数が多いほど、光が伝播する方向はばらばらになります。

 

皮膚は細胞や組織等が複雑な構造をなしているた
め、強い散乱体であり、その特性は、光が散乱し
て再び出てくるまでの距離と光が吸収される頻度によっ
て主に決定されます。また,皮膚に垂直に入射した光
がどのような拡散光となるのかを調べると、遠くに行
けば行くほど赤が強く残り、緑、青の順に拡散半径が
小さくなります。これを「拡散プロファイル (Diffusion
Profile)」と呼びます。したがって、肌の見え方には拡
散プロファイルも考慮する必要があります。

 

図2 に角質層,表皮,真皮の主な光吸収、散乱分子
を示しましたが、ユーメラニン、フェメラニン、
オキシヘモグロビン、デオキシヘモグロビン、ビリルビ
ン、β – カロチン、タンパク質、脂質、老化酸化物、水
などがあります。

 

肌の見え方は、角層、表皮、真皮の光学特性、すな
わち、皮膚内で光がどのように吸収、散乱される
のかで変化します。角層においては、1) 皮脂や肌理など
の表面構造によって影響を受ける拡散反射、2) 角層中の
水分や脂質の量によって変化する透過率による角層内部
を通過する際の光の減衰、3) 角層、表皮、真皮の厚さ、
などが肌の見え方に影響を与えます。

 

記事


前田 憲寿 先生
医学博士
東京工科大学 教授
日本スキンケア協会 顧問

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