2018年8月14日2018年8月14日大学教授に学ぶ正しい化粧品の知識

美容&スキンケア情報「注目の美容成分『しわに効果的なビタミンAとその誘導体』」

注目の美容成分『しわに効果的なビタミンAとその誘導体』

今回は、しわに効果的なビタミンAとその誘導体について記載します。

光老化した肌に最も効果的な治療法は肌再生です。
残念ながら、化粧品や薬用化粧品には治療効果は認められていません。
米国では、レチノイン酸(ビタミンA酸)がしわに効果がある医薬品として認められています。

もともとは、にきびの患者さんに使っていたら、しわまで目だたなくなったことから、
20年以上も前からしわに対する臨床試験が行われていたものです。
レチノイン酸は表皮細胞の分裂を促して、表皮のターンオーバーを早くします。

それにより表皮の厚みが増し、角層が薄くなっていきます。
また、真皮にも作用し、変性したコラーゲンの分解を促進し、
線維芽細胞のコラーゲン合成を高め、新しい真皮組織を構築していきます。

これは軽い炎症にともなって起こる生体防御反応を利用したもので、
肌が赤くなったり、ヒリヒリするのをのりこえると、数か月後にはしわが改善します。
ただし、作用が強いので、皮膚への負担が大きく、皮むけや赤くなるなどの副作用がありますので、
医師の指導下で経過を見ながら治療していくことが必要となります。

また、角層が薄くなり、不全角化した角層が肌表面に現れるので、機器で測定すると角層水分量が増加しますが、
紫外線の一番のバリアである角層が薄くなるので、治療期間中は日光にはあたらないようにしましょう。
レチノイン酸は0.05%や0.025%の医薬品が、しわに効果があることが報告されています。
レチノイン酸の末端のカルボン酸がアルコールになったレチノールや、
安定化した酢酸レチノール(レチノール酢酸エステルや、
パルミチン酸レチノール(レチノールパルミチン酸エステル)を、0.01%程度配合した化粧品があります。

これでもヒトによってはヒリヒリとした刺激感が現れることがあります。
レチノールの作用はレチノイン酸の約100分の1といわれています。
配合量が高ければしわに効果的との報告があります。

 

記事


前田 憲寿 先生
医学博士
東京工科大学 教授
日本スキンケア協会 顧問

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